震えながらバイクを走らせる。寒さに無防備になっていた体にはしとしとと降る雨は効果覿面だ。
御依頼主の自宅ガレージに停めてあるインプレッサの開錠。立ち会って頂いた御依頼主は短パンTシャツの部屋着のまま。かなり寒そう。なので一旦部屋に戻って頂き作業する事に。
厄介なディスク配列と寒さ来る震えに苦労してやっと開錠。御依頼主に部屋に戻って頂いて本当に良かった。
戻りの道、路地裏をゆっくりと走っていると路上に怪しげな物体が。近づいてみて見るとなんとヒキガエル。
こんな寒いのになんで出てきちゃったのだろう?冬眠の準備でもしようとしていたのだろうか?
明日から10月。衣替えの季節。Y隊員も冬の装備の支度をしようかな。
前日比-13℃、ボヤ~とした頭がキリっとする感じ。バイク乗りには持って来いの季節ではなかろうか。
そんな中汗だくのお客さんと合流。スカイウェーブ400でレインボーブリッジを通過中ガス欠した様子。安全な場所まで避難するのに、だいぶ押してきたとの事。お客さん・・「めちゃ重くて・・くそバイクって感じです・・」
そう、バイクにトラブルが起きると決まってイヤになるもんだ。ヘロヘロのお客さんの脇で、トクトクと給油した。
そしてエンジン始動。スロットルを回しながらご機嫌のお客さん・・「お~文明の利器ですな~」
一旦はキライになったバイクでも、息を吹き返せば元通り。今まで気にもとめなかった良さに気付けるオマケ付きだ。
ちょっと寒くなった今日この頃。新たな文明の利器に胸躍らせるお客さんを見送った。
多摩市の輸入車ディーラーさんより開錠のご依頼一刻も速く駆け付けたいトコロだが助人にとっては遠めの現場、お待たせするのがツライところだ。
50分程で到着し、速攻で開錠する到着までにお待たせした分は作業時間で取り戻すのだ。
その甲斐あってか担当の方にはとても満足して頂いた模様、「次回もお願いしたい!」とのお言葉は、何よりも嬉しい作業後のご褒美だ。
満足しながらゆっくり走る帰り道、多摩丘陵の緑が目に飛び込む。来るときは急いでいて気に留めなかったけれど・・・思わずバイクを停めて景色に見とれてしまう。
この辺りはとても綺麗な風景が続いている。自然に埋もれる様に作られた近代的な町並みは、引っ越したくなってしまうほど魅力的だ。
街路樹の間から見える空を暫らく眺めて走り出す。さあ、戻ろうか J隊員の日常へ・・・
名残を残しつつ多摩の地を後にする。再びの御依頼を期待しつつ・・・
八王子はラ・フェット多摩でBMWの出張開錠の依頼。Y隊員、久々のラ・フェット多摩。と、言っても以前は仕事ではなく家族での買い物だが・・・
Y隊員、アウトレットモールが大好き。首都圏近辺のアウトレットモールは大体行った。なぜ好きか?と聞かれれば理由は安いから。そう。Y隊員は安物買いの銭失いなのである。
御依頼を受けた際、駐車料金はお客様がお支払いするとの事だったのだが、かかっても十数分。そんな短時間の為に駐車料金を頂くのも…と思い、近くの歩道にバイクを停め、駆け足で御依頼主の元へ。
お待ちかねの御依頼主の為にもと思い3分程で開錠。サインを頂きお立ち去る際に差し出されたのは、キレイにティッシュに包まれたお札。
駆け足で駐車場に入る際に見えた駐車料金は30分200円。きっとチップ込みでお出しされたんだろう。
しかし丁重にお断りして逃げる様に立ち去った。だってせっかくリーズナブルなものを買いに来てこんな所で出費するのも・・・もし自分だったらすごく苦痛だもの。
深夜の救援に向かおうとした時、違和感を感じる。バイクの前方にまわりこむと違和感の原因が判明、ヘッドライトのロービームが切れていたのだ。
これはロードサービスを呼ばなくては・・・そんな冗談はさておき一体どうしたものか?
やむなくハイビームでの出発も考えたが対向車や前方車両のイメージを思って応急処置をする事に、
H7タイプのバルブを使用するJ隊員のバイクは、ハイとローが別々のバルブで点灯する。つまりハイとローのバルブを入れ替えれば良いだけだ。以前の主流であったH4タイプではこうは行かない、便利な時代になったものだ。
救援前の不意のトラブルだが、3分ほどで処置を終えて出発する。現着時間のロスもほとんど無くて一安心である。
それにしても救援前に救援が必要になるとは・・・トラブルとは自分の上にふりかかると本当に困るもの、あらためて救援作業における速さの重要性を考えさせられた。
朝、虎ノ門でブルバードのジャンピング作業をしていると、同じお得意様から同じ虎ノ門でエブリィのガス欠救援が入った。
絶妙な御依頼に舌を巻きつつ15分程で現着。しかし早く着きすぎてしまった為しばらく待つことに。
エブリィが停まっている所は坂の途中。その坂の名前は江戸見坂。昔はこの坂の上から江戸城が一望出来た事が安易に想像出来るほどの勾配。昔の人はこの坂に苦労したんだろうな等と物思いにふける。
そんなこんなしていると御依頼主が登場。平地で走行していた時にはまだあったはずのガソリンがこの坂の途中に止めたとたんエンプティになってしまったんだとか。なるほど。この勾配ではそれも頷ける。
赤坂に牛鳴坂という坂がある。名前のとおり坂がきつくて牛が苦しんだ為その名が付けられたんだとか。きっとこの坂でも牛が苦しんだのであろう。その時も我々のような助人が参上したのであろうか?
当時と現在では作業が違うのであろうが、そう思うと何か感慨深いものがある。
千葉県にてプジョー407の開錠作業。助人内においてプジョーは難易度の高いカギとして知られている。
406に続き、最新鋭407もヤッカイモノだ。ピッキングは5分でも、額に汗にじむ充分シビレる内容となった。
そういえば最近難しいカギが急増している。現行のレンジローバーも難しかったし、J隊員もローバーMGFに苦労したとか。難しいカギのほとんどは、他のカギ屋さんのヘルプ。もちろんバトンタッチされたからには、気合のピッキングで開錠へと導く。
一昔のヘルプはBMWとかベンツといった「普通に見かける」高級車。でも今は「あんまり見かけない」高級車に変わった。経験の少ない車種ほど、技量が問われるんだと思う。
お得意さんから不思議な話しを聞いた。現行ベンツのトランクは開錠できないという話し。たしかに難しいけれど、ちょっとした工夫と助人スキルがあれば大丈夫。「開かない」という間違ったセオリーは正さなくてはならない。
助人に「ピッキング出来ない車」は存在しない。なぁんて堂々と言えるようになりたいものだ。
気温がぐっと下がって秋分の日。皇居の近くでマークⅡがインロックしたとの知らせ。
お客さんはチャリティマラソンに参加されるとの事。家族おそろいのTシャツで、ウォーミングアップ中だ。
「オイッチニー」とばかりにはしゃいでいたお父さん。どう見ても普段からトレーニングしている身体には思えない。他の方々も同様で、チャリティマラソンの雰囲気を一層温かいものにしていた。
作業を始めようとすると、ぞろぞろと囲まれる。ピッキングは興味深いはずで、開錠後は決まって「驚きと不安」が待っている。お父さん・・「いや~早くて助かりました~」お母さん・・「でもこんなに簡単に開くんじゃ、貴重品は置いていけないわね・・」
地下駐車場は、マラソン参加者で埋まっている。近くのロッカーも埋まっていて、他を探す時間もないとの事。結局お父さんが肌身離さず走ることで決定した。
和やか雰囲気の中にあって、眉間にシワを寄せるお父さん。一人だけ浮いたというより、本気モードの顔であった。
お彼岸も過ぎたというのにひどい暑さだこの強烈な紫外線は残暑どころか真夏そのものだ。唯一、秋を感じることが出来るのは日没の早さ位であろうか?
照りつける太陽の下、元赤坂へオデッセイのインロック開錠に、現場の地下駐車場は激しい熱気だ。駐車車両の余熱+隅に配置しているエアコンの室外機の排気で入り口からは陽炎が立ちのぼっている。ここに長居してはいけないと、本能が激しく警告を鳴らす。
まるで水中に潜るかの様に息を止めてピッキング開始なんとか一呼吸で開錠を果たし、急ぎ出口へしかし速攻で終わらせたにもかかわらず体中からは汗が噴き出すのであった。
作業完了のサインをもらった後、どこからか涼しい風が来るのを感じる。フラフラと路地を歩いて風の来るほうへ・・・いくつかの角を曲がった先には大きな森が広がっていた。
暑さで幻を見たのではない目の前に広がるのは広大な赤坂御用地、冷気はここから来ていたのだ。
都心では考えられない広大な森、今はその恩恵をヒシヒシと感じる。しばらくの間足を止め、体いっぱいに自然を吸い込んだ。
練馬にダイハツミラの開錠に向かう。現場まで向かう道中、やけに車の流れが悪い。しかし何とか裏道を駆使し30分かからずに現着。
車を見張る様にお待ちかねの御依頼主。「待ってました~。駐禁が心配で・・安全運動期間だから・・」なるほど。だから車の流れが悪かったのか。
と言う訳でさっそく作業に取りかかり1分程で開錠。サインを頂き御依頼主をお見送り。
戻りの道のりは風景を良く観察してみる。所々に建つテントに、普段は居ないところに居るお巡りさん。
迂闊だった。確かに普段から捕まらない運転をしているが、こんな事に気付けないなんて漫然と走行している証拠だ。
この期間は普段運転しない方が交差点に立つお巡りさんに焦り、赤信号で急ブレーキを踏んだりする。明日からは三連休だし注意しよう・・・
確かに5月のJ隊員の日記の通り、自分の運転を見直す良いタイミングかもしれない。
ロードサービスの自由化から10年が経とうとしている。自由化の象徴は、自動車保険やクレジットカード等の付帯サービス。
確かにユーザーさんには利用しやすいサービスになった。でも「満足し得るモノ」かは別問題。
最終的な評価は、現場で応対する業者次第。助人では主に「開錠技術」と「バイクで移動」で、「満足し得るモノ」への挑戦中。目標をハッキリさせて「大変満足した」につなげたいと考えている。
手段の良し悪しを測るには、目標が大事なモノサシになる。これが決まらないとどんなに話し合っても別々なゴールを目指しがち。目標に近づける手段を競い合い、ここまでやってきた。
自由化の流れで、ロードサービスは全国的に浸透したと思う。一隊員として、次は品質が問われる段階と思いを馳せる。感激して頂くサービスまで引き上げねば・・・
いよいよ前座が終った感じで、これからが本番。夕日を見ながら感慨に浸った。
西多摩郡でジャガーXJの開錠依頼このあたりは高速道路の恩恵が受けづらい地域、日中の渋滞も収まった時間なので一般道を選択、道中を急ぐ。
一時間程の所要後、無事にお客さんと合流閉店時間を過ぎた郊外型大型店舗の駐車場、真っ暗な中、ジャガーがポツンと一台停まっていた。ケータイから何から閉じこんでしまい、さぞ心細かったことでしょう。
難しめのキー配列に少々苦戦するも、気合でねじ伏せ無事に開錠、お客さんの笑顔が真っ暗な駐車場に輝いた。
お客さんを見送った後はなんとなく心細くなってくる。普段は拠点を中心にある程度のエリア内を飛び回っている助人隊員、真っ暗闇の見慣れない風景は不安感を加速させるに十分だ。
往路と変わらぬペースで急ぐ帰り道、街道沿いの灯りもまばらで寂しい。走れど走れど一向に距離が縮まらないような錯覚に陥る。
田無タワーの灯りが見えてようやく安心してきたJ隊員、普段は感じないテリトリー意識が自分にあるのをはっきり感じた。拠点からおおよそ15㌔、この範囲内がJ隊員が安心して生息できる範囲だ。・・・意外と狭いものである。
下高井戸の某スーパーの駐車場にてゴルフの開錠依頼。御依頼主は女性ですべてをとじ込んでいるとの事。15分程で現着したのだが御依頼主が居ない。車のそばに置き去りにされている買い物したレジ袋。
レジ袋を見張りつつ待つ事10分、「ごめんなさ~い。色々電話してて・・おっちょこちょいですよね私。」と御依頼主が登場。
との事でさっそく作業開始。内溝の特殊形状だが1分かからずに開錠。「すご~い!前の業者さんは30分以上かかったのに~!」前の業者?もしや常習犯?
サインを頂き立ち去ろうとした時、急に差し出されたのはわらび餅。「これすごく美味しいんですよ~。またお世話になるかもしれないので受け取って下さい。」
正直なところY隊員、わらび餅や葛餅などがちょっと苦手。とほほと思いながら拠点に持ち帰り、もったいないので一口食べてみる。
が、美味い!あっという間に平らげてしまった。もしかしたらまた作業を対応したらわらび餅を頂けるのだろうか?ちょっと楽しみだが、インロックはしないに越した事がない。なので不謹慎な希望は抱かない事にした・・・
習志野市にてチェロキーがインロックしたとの知らせ。前日の夜にご依頼が入り、本日の朝9時までに向かってほしいとの事であった。
以外に多い前日予約。助人では厳重な連絡網を徹底しているので、取りこぼすなんてミスは一度もない。
チェロキーを開錠後、お客さんから質問される。「開錠専門でやっているんですか?」とっさに「そうです・・」と答えると、お客さんは深刻そうな表情だ。
深くは追求しないで、「合鍵希望かな?」と勝手に考えていた。書類を作成して、いつもならお別れするタイミング。気になっていたので、勇気を出して聞いてみた。
「何かお困りの事でも・」と切り出すと、「バッテリーがね・」と言われる。どうやら一晩中、イグニッションON状態で閉じ込んだ様子。
「合点承知之助」とばかりにバッテリージャンピング。無事チェロキーも息を吹き返し、お客さんも大満足で完了。
勇気を出して良かった。笑顔でお別れするのが一番でござる。
現行オデッセイのバッテリー上がり、しかし今回の案件もすんなりとは行かない、車内に入ることが出来ないのだ。
普段は助手席から出入りをしているお客さん、唯一の鍵穴がある運転席側は自宅の壁にピッタリ張り付いているリモコンキーが作動しない状況では簡単にお手上げになってしまうのだ。
こうなってしまってはもう普通に開けるのは無理、鍵穴の無い助手席側から最終手段で開けるしか無い。ゴソゴソと開錠工具を準備する、出来ればもっとスマートに開けたいのだが・・・そんな事を考えていると別の方法が使えるかもしれない事に気付いた。
試して見る価値はある、これがうまく行けばキズ一つ無く解決できるのだ。アタリを探りながら作業を進めること五分、もう少しのトコロで決め手に欠ける・・・そろそろ諦めようかと思い始めた時、「ガコッ」会心の手応えアリ!無事に開錠出来た。スマートに解決できてお客さんも大喜び「今後は前後逆に駐車しないと・・」と、しみじみ話すお客さん。
リモコンキーやスマートキーの標準化に伴い、近頃の車は鍵穴が運転席一つだけになりつつある。すっかり非常用の扱いだ。デザインやコスト的にも都合が良いのだろうが・・・しかし日本の住宅事情を考えると最低あともう一つ、助手席側にも鍵穴を付けて欲しいもの。そう思うのは職業柄から来るものだけなのだろうか?
夜、杉並拠点にて稼動を終えたJ隊員と話していると、フォードフォーカスの開錠依頼が入った。「ほほう。面白いじゃないですか。」と不敵な笑みのJ隊員。このフォーカス、特殊形状の鍵が付いている。
同じ形状のジャガーは対応した事があるものの、Y隊員この車種は初の対応。J隊員に至っては別の特殊工具を使っての開錠方法を編出した強者。その非番のJ隊員とともに世田谷まで向かった。
「すぐ開く?ちょっと30分くらい事務所に戻っていいかな?」と御依頼主。すぐ開きます!と言いたい所だが…。免許確認後、事務所に戻られる御依頼主。
という事で二人でアタック開始。Y隊員はドア。J隊員はリアハッチ。精神を集中させ闇の中をまさぐる様なピッキング。
4分程経過した時、J隊員が近づいて来た。「Yさん、開きましたよ。まだ時間があるから安心してアタックして下さい。」そしてJ隊員の高笑いが夜空に響いた…。
その後、開始から20分程でY隊員もやっと開錠。う~む・・・実はJ隊員の開錠方はマニュアル化されていて隊員にも配布済みのもの。しかし正直なところ侮っていた・・これからJ隊員の開錠方を習得する為、また新たな修練の日々が始まる。
ホンダフュージョンのカギ穴に異物が入っているとの知らせ。お客さんは直接HPを見られてご連絡頂いた様子。
最近この手のイタズラが増えている。長い間路上駐輪していると、近隣からの恨みを買うケースが多い。
基本的に駐輪場所が深く関連している。ここは目黒区内の狭い路地の中、車は入ってこれない場所。夜中には真っ暗にもなるだろうし、人通りも多いとは思えない。
出てきたものは、割り箸のかけらとも見える木片。早速駐輪場所の変更をアドバイスした。
駐車違反の取締りが厳しい事もあって、バイクも例外ではない。こちらも仕事とはいえ、バイクから離れるときはヒヤヒヤ。
ただ、ほとんど作業現場まで駆け付けられるのがありがたい。こういう特殊作業は工具も多く、大通りから持ち運ぶには無理がある。
車と違うメリットを改めて感じる次第だ。
三軒茶屋でインロックの開錠依頼、路肩に停めてある車両はすぐに発見できた。早速、確認事項を済ませて作業に取り掛かる・・・
と、作業中のJ隊員の背後からお客さんが誰かと話す声が聞こえる。何気に降り返って見ると話す相手は婦人警官、駐車禁止の取締りにでもやって来たのだろうか?なんにせよ早めに作業を終わらせた方が良さそうだ。
早々に開錠を済ませてお客さんの元へ、すると・・・すでにその手には違反ステッカーがヒラヒラしている!聞けば鍵を閉じ込んでしまった後、ロードサービス手配のために歩道でTEL、戻ってきたらもうステッカーが貼ってあったそうな。
運良くステッカーを貼った婦警さんを見つけ、状況の説明をしていたお客さんやむを得ない状況だった事はなんとか理解して貰えたようだが、「今この場での取り消しは出来ないシステムになっているので・・」そういった返答が連呼されている。弁明の機会は後ほど、となるらしい。
頑とした対応に諦めて車へ戻るお客さん。そこへ婦警さんから追いかける様に一言、
「この通りは重点取締り路線になっています、駐車の際は十分注意して下さい!」
・・・降り返ったお客さんの表情が、一瞬引きつったのをJ隊員は見逃さなかった・・・
午前中、練馬でサクッとセレナの開錠を終え、完了報告と一服をしようとコンビニ駐車場にバイクを入れる。ふと隣の店の軒先を見ると懐かしいモノが鎮座されていた。
カーレースと書かれたそれは10円を入れ、その10円玉をはじいて当たりまで10円玉を進めて行くというゲーム機。小学生の頃、週300円のおこづかいを沢山つぎ込んだ記憶がよみがえる。
おおぉ~懐かしい…。と、おもむろに10円玉を挿入してしまった。入れてしまったものは仕方がない。という事で東名入り口をスタート。
まず静岡インターに、そして名古屋インター京都インターと順調に10円を進める。おおっ!残すは神戸インターに行き、当たりまで行き着くのみ!慎重に京都インターのレバーをはじく。が、あえなく名神入口に戻されてしまった・・・
気を取り直して名神入口なのになぜか静岡インターから再スタート。しかし強くはじいてしまった為、ガソリン切れの穴に吸い込まれる10円玉。……ゲームオーバー。くやしい…。
立ち尽くしつつ、ふと考えてみると、30過ぎの男がこんなゲームを必至に興じている姿は少々不気味だったかもしれない。夏休みの時期じゃなくて本当に良かった。
帰りはバイクにガソリンを入れて帰った。
南青山でスイフトのスペアタイヤ交換。現場はザーザー振りであった。
肘から水が入ってきたり、首筋にも冷たい感覚が走る。濡れたくない気持ちが最高潮なときほど弱気なもの。
ザッパーン・・1台のバスが大きな水溜りを掻き分けて走っていった。カッパを通り抜けて全身ずぶ濡れだ。
すると「ピキーン」と何か吹っ切れる感覚が走る。雨が気にならないどころか、心地いいぐらいだ。ジャマなフードも取っ払って、薄ら笑いのスペア交換。
それは狂ったような、研ぎ澄まされたような、不思議な感覚。そんな無敵状態のまま、作業完了。
書類はグショグショ、携帯電話もずぶ濡れ。でも無敵男は、そんな小さな事は気にしない。
そう、拠点に帰るまでは。
今日は朝からヘンな天気晴れていたかと思うとザーッと降ったりハッキリしない。
そんな中、グランドマジェスティ(バイク)のメットインロック、知り合いのつてでの依頼なのだが、正直開くかどうか分からない。場所も近い事だし、ダメでも良いからとの事で出動する。
イグニッションからの操作でシートが開くタイプの鍵穴は年々深くなりピッキングでの開錠が難しくなる。スクーターの鍵穴はピッキング職人泣かせのひとつなのだ。
現着し、早速鍵穴を覗いてみる初めてアタックする鍵穴はかなり深いもの、何とか内部を探るが開錠の目処が立たない。お客さんをあても無く待たすわけにもいかないので、合鍵を作れる鍵屋さんを紹介して撤退する。
ダメ元で行ったにもかかわらず、ひどい敗北感だ、しかしそれは助人が機動力をウリしている以上やむを得ない事なのだが・・
挫折と成功の繰り返し、本来仕事とはそんなモノなのかもしれない、まるで今日の天気の様に。
夕方、新宿にてアウディが勤務先でインロックしたとの依頼。案内された駐車場には社員が通勤で使う車が停めてあるとの事だが、見回すと高級車が多い。
どんな仕事なのだろう?日曜日も出勤だし・・・などと思案しながら作業に入ろうとすると他の社員の方々も出て来られた。
「見させてもらってもいいですか?ダメならいいんですけど・・」との事でギャラリーに囲まれて作業開始し3分程で開錠。どよめく社員さん達。
「すごい…。けどこんなに簡単に開いちゃうものなんですか?」すごく訓練した賜物で普通にはこんな簡単に開きませんよ。と話すと別の方から「俺の最新シーマはどうかね?この車より高いけど。」との質問。
”値段が高い=鍵が難しい”と考えているようだが一概にはそうとも言えない。で、正直にアウディよりは簡単ですね。と話すと腑に落ちない顔。「あはは~○○さん、じゃあ車買い替えなきゃ~」と他の方。それを聞きムッとした顔になる質問した方・・・
「実はハイエースやバンの方が難しかったりするんですよ。」と更に言おうとしたが止めておいた。より怒りそうな気がして・・・
癌研病院にて現行レジェンドをピッキング。何とか5分で突破したけれど、このカギは難しい部類に入る。
他のカギと比べ、ずいぶん地道に練習したものだ。「結構簡単に開くんですね」と言われてしまうのが悲しいほど。
仕事のほとんどは地道な事の繰り返し。ゾクゾクする瞬間なんて、1割にも満たない気がする。今回その貴重な1割を得られた感じだ。
子供の頃、飛行機のプラモデルに熱中したときを思い出す。車輪など個々のパーツを作るのが退屈で、我慢の連続であった。最後の胴体と羽を合わせる瞬間、完成をイメージしたあのゾクゾク感が全てであった。
開錠も一緒で、シリンダーが回る一歩手前がたまらない。鉄板リーチを確信した後にくるゾクゾク感を、久しぶりに味わった。
地道な練習の成果は、いつやってくるか分からない。継続させるのに必要なのは、忍耐というよりイメージのような気がする。
完成したイメージさえ浮かべば、全てが楽しい。
キューブのバッテリー上がり救援へ、ここで問題がひとつ、お客さんは外国の方、日本語が全くダメな様なのだ。
しかしそこは共通の目的を持つ者同士、ジェスチャー&J隊員のカタコトの英語で無事に解決、始動後の走行充電まで何とかアドバイスする事が出来た。
ホッとしながらサインを戴いて引き揚げようとしたその時、「ヒトツ、キキタイコトガアリマス(英語)」そんな感じでクルマの中に引き込まれるJ隊員
車内で手渡されたのはぶ厚い日本の観光ガイドブック(英語)お客さんの指はページをめくると目的地の所をなぞりその指で今度はカーナビ(英語)の画面を指す、どうやらカーナビに経路を設定したいらしいのだが・・・
唯一分かる電話番号での検索をしようとガイドブックを見るも、市外局番が載っていない・・・!?(こりゃぁ無理そうだ)そう思ってお客さんの方を向くと、すがる様な眼差しが突き刺さる。
呪文の様に繰り返されるエラーメッセージ(英語)、語学力不足をあらためて痛感する。とりあえず英文辞書は装備に追加、それと日常会話は・・・誰かに付き合ってもらうとしようか。
台風が近づいている。正直恐い。が、そんな事は言ってられないのだ。
夕方、三鷹市中原にてデミオの子供インロック。30分以内の到着を目指し吹き付ける風を切り裂きつつ進む。幸い一時的に雨がやんでいる。それだけでもかなりの救いだ。
25分程で目的地の保育園に到着するとすぐに車を発見。御依頼主のママさんは他のロードサービスに連絡している。車の中では生後数ヶ月の赤ちゃんが凄い勢いで泣いている。
電話中のママさんに先に開錠する旨を伝え作業に着手。2分かからずにシリンダーが回り無事救出。ふう・・・
ママさんや赤ちゃんのお兄ちゃん、そして保育園の先生達に感謝されつつ現場を後に。
が、凄い風だ。そして雨もまた降り出した。カッコウつけて現場を後にしたはいいが、すぐにビビリモードに。
来る時はよくこんな中を普通に走れたなと思いつつ、ヘロヘロになりながら拠点にやっと戻った。
シボレーブレイザーがインロックしたとの知らせ。ホテルの地下駐車場をウロウロしていたら見たこともない車を発見した。
迷彩カラーの軍用車。そうこれがブレイザーなのだ。
軍用車といえば、一般的にはハマーが有名。しかし「周りが乗ってない車」を探していたお客さん。たまたまデッドストックとして眠っていた軍用車を譲り受けた様子。というかこんなブレイザーは初めて見た。
お客さんはシェパードとの散歩用にブレイザー、足代わりにコブラを乗られる様子。それは手にしたくても、誰もが手に出来ないモノだ。
開錠後にいくつかお話しを伺い、何となく分かったものがある。ただお金を持っているだけでは、こういう車を所有できないこと。
全てにさりげなく、品のある雰囲気のお客さん。その雰囲気こそが、そう簡単には手に入らないモノだ。
アクセクしているA隊員とは対照的。いや、アクセクしたその先に必ず扉が開かれると信じている。
ガソリン代がジリジリと上り続けて140円台に突入、諸々の事情からこの高値はしばらく続きそうだ。
去年の収支を見てみると、ちょうど同じ時期に値上がってます。その時はすぐに値下がって落ち着いたものなんですが・・・
そんな訳でエコラン(省燃費運転)を始めてみました。しかし高速道路では簡単&効果大なのに対し、一般道では今一つ効果が薄い上に結構なストレスが・・・
救援作業後のお客さんとの会話でも「ガソリン代が高い!」と言った内容は出るのだが、エコランについてはイマイチ話が盛り上がらない。慢性的に渋滞の都内ではそれどころではないのでしょうか?
でもひとつだけこの話が盛り上がる救援作業があります。それは“ガス欠”の救援作業。何しろクルマが完全に止まるまでの数分間はどの方も“超エコラン”だったに違いないのだから・・・
練馬にてベンツCLKのジャンプの依頼。指定された住所に向かう途中、たまたまCLKを発見。ナンバーも一緒だったので御依頼主に連絡。しばらく待つことに。
車両を軽く眺めているとダッシュボードの上にソーラー充電器。ホイールには雑草が生い茂り、車の陰にバッテリーが転がっている。
なんとなく色々と想像していると御依頼主が登場。聞けば一週間放置しただけとの事。
本当か?と思いつつバッテリーをチェックするとほぼ完全放電。取り合えずエンジンを始動し色々話をしていると、実は3ヶ月放置であることが発覚。
半年前にもやはりバッテリー上がりでロードサービスを呼び、その時も完全放電だったのでバッテリーを交換。その後3ヶ月は週に一度エンジンをかけていてあげたのだが、ソーラー充電器を知り取り付けた後、安心して3ヶ月放置したとの事。
なるほど。ほぼY隊員の推理と一緒。まぁ二度もロードサービスを呼んでしまって気が引けて違う理由を言ってしまうのも分かるが、雑草は嘘をつけないのである。
仕事の成果を考える基準は、結構ストイックなほうだ。30代も半ば、自分の「命の使い方」を真剣に考えている。
自分だけとか、助人だけ儲かるような「使い方」にはしたくない。お金も大切だけれど、どんだけ世間の役に立てるかが大事だ。
助人サービスの今後10年の経営方針を書き下ろす。全文を読み返して最適な題名を「和魂洋才」とした。大ざっぱな言うと、自分たちに出来る精一杯の社会貢献をしようと思っている。
「助人」という名の原点に返り、必要とされるか否かを世に問う挑戦の始まり。手始めにJ隊員とY隊員に見てもらった。
J隊員・・・「これだったら死ねますね♪」Y隊員・・・「うん。たしかに死ねる・・」周りから見れば物騒な会話だが、「全力で当たれる」という究極の例え。
これから全員に見てもらい「共通の目標」になれるかどうかの見極め。実のところ、これが結構大変で「A隊員はナマイキ」だからイヤとなりやすい。提案を見てもらう以前の問題だ。
一心不乱にやるべき事はやった。後は神のみぞ知るというところか。
今日は昭島市まで出張開錠へ、走り始めに少し肌寒いような気がするも、そのまま高速へ吸い込まれる。
昭島市は東京都の西方、都心からだと一時間ほどの所要で辿り着ける。ひた走る中央高速からの景色は、時間の経過と共に緑が多くなって行き視覚的にも楽しめる道程のひとつだ。
それにしても涼しい高速の上、つい数日前走ったときは灼熱地獄だったのに・・薄着で出てきた事をちょっと後悔しつつも八王子インターを降りて一般道へ
目的地は河川敷の運動公園、救援車両はすぐに発見できた。フォルクスワーゲンの内溝キーをサクッと開けた後、背筋にゾクッと来るものが・・・
帰りの道のりはひたすら「寒い」のみが頭の中を支配する。先月までの暑さがウソの様な九月に入っていきなりの涼しい空気、体が慣れるまでには少し時間がかかりそうだ。