受注担当のA隊員。お得意さんから料金の問い合わせで、シボレーアストロの開錠に9,450円とご案内したところ、あまりの安さに心配されている様子。
お得意さん「そういえば先日ジャガーの開錠も爆安でしたよね・・」たしかA隊員が担当したから覚えている。5分の開錠で12,600円であった。
助人ではカギの作成はしていないので、開錠料金のみの設定になっている。料金は8,400円~12,600円で、どんなに難しいカギでも、時間がかかってもオーバーする事はない。あっ、ちなみに夜間は2,100円割増ですが。これはちゃんと理に叶っていて、東京ならではの価格設定になっている。これだけの人と交通量を抱えた街でこそ、見込めるボリュームと開錠時間は概ね5~10分、さらにバイクを投入しているので1件辺りの拘束時間は30分以内とすれば、それほど安くない。
オーバー料金のない安心価格は、救援を待つユーザーさんと、手配するオペレーターさん、そして走ってナンボの助人隊員の3社が喜ぶ設定になっている。
早ければ安くできる不思議な関係。なので、件数が激減するとUPしちゃうかも??
神田神保町にてシボレーブレイザーがインロックしたとの知らせ。お客さんはいかにも「キャリアウーマン」といった雰囲気でカッコいい。
場所柄、出版社関係かな?レポート用紙片手に電話をしている姿が凛々しい。ずっと携帯でお話しされながら、スッと免許書を出されるお客さん。
最短の時間で開錠させると、まだ電話中なのでひたすら待つことに。「打合せ通りにやってくれないと困るのよね・・・・あれ?もう終わったの?」話しを急に振られるので、あたふたとサインを頂くA隊員。
先週もインロックしたとの事で、その時は1時間近く待たされた様子。おそらく今回も時間がかかると予想していたのだろう。お客さんとの会話は、全て話し中の電話を中断しながら完了させた。
女性はいくつもの動作を同時進行できるから不思議だ。でも、電話しながら車を降りるときほど・・・
江東区の中央防波堤にて、サンバーのバッテリーが上がったとの知らせ。江東といっても台場や青海を越えて海中トンネルの先になる。
まして住所がハッキリしない「島」みたいなもので、島全体が廃棄物処理場になっている。なので「廃棄物処理場近く」と言われても一層不安をあおるだけであった。
お客さんと道端で合流。でもそこからが困難を極めた。サンバーは道路から離れた海沿いにあり、辺り一面背丈ほどある枯れ草に包まれている。途中バイクでの走行が困難になり、枯れ草をかき分けて歩いていく。「ここは本当に東京か?」と思わせる場所にサンバーはいた。
「誰もいないから仕事がはかどるんだよね♪」と言われるお客さんは大音量で音楽を聴きながらペンキ塗りをしていたらしい。フジテレビは見えるけど、波の音しか聞こえない不思議な場所であった。
無事ジャンピングしてお別れ、また道なき道をかき分けて歩く。しばらくすると後から「キュラキュラ・・」
枯れ草に埋もれながら走るサンバーを、ただ呆然と見送るA隊員。お客さんには大変失礼だけど「とにかく怪しい」と思わざるにはいられなかった。
エブリーがインロックしたとの知らせ。お父さんと中学生らしきお子さんに立ち会って頂く。
一通り確認した後に即開錠、お子さんの驚き方が印象に残った。通常は開錠技術をほめられる事が多いが、今回は見た目であった。
「かっこいいっす!!なんか闇の組織みたい!」
かっこいいのは充分理解しているとして・・・後が良くない闇の組織って何だ?そもそも闇って・・「一寸先は闇」とか「闇に葬る」とか、ろくな言い回しがないではないか。色々考えながらも笑顔でお別れ。
我が身を振り返ると、皮パンやブーツが良くないのか工具を入れるアルミケースがそれっぽいのか・・・それとも顔か?・・と考えたらキリがない。
そろそろ新ユニフォームを予定しているので闇の組織にならないようにしなければ。
ホンダフリーウェイのバッテリーが上がったとの知らせ。お客さんはバイク便で、何とか現場で復旧してほしいとの事。
そもそも日中走り回っていて、バッテリーが上がるのは普通じゃない。静止時のバッテリーの電圧は10.5V、ジャンピング始動後も変わらない数値を示した。
お客さん・「昨日新品のレギュレータを交換したんですが・・」A隊員・・「では、ジェネレーターかもしれません」お客さん・「何すか・・それ・」バイク便のすごいところは、予備でレギュレータを持ち歩いている事。ただし、トラブルの全てがレギュレータとは限らない。
結局搬送に切り替えてお別れ。最近発電機そのものが壊れるという話しを良く聞くA隊員。予備という前に、点検が先か。
新砂でオペルベクトラワゴンのスペアタイヤ交換。お客さん一人で交換されようとして、途中でギブアップしたとの事。
「右前タイヤを外した瞬間、後へ傾きジャッキが壊れた」フロントブレーキディスクが見事にコンクリートへめり込んでいた。
原因は「車止め」である。車載にはスペアタイヤとジャッキとレンチ類はあっても、この車止めまで積まれているのは少ない。前をジャッキUPすれば車体は後へ傾き、タイヤを外せば荷重も加速する。結果、後へ引きずるように車体を落下させてしまうのだ。故に「車止め」は反対側(右前交換なら左後)へ噛ませるのが基本。
同じように一人で交換しようとして、ギブアップするケースは少なくなく知れば簡単、知らないと大怪我する作業だ。
にしても・・落下させた車体のダメージを考えただけでも気軽にロードサービスを頼んだほうが良さそうです。
銀座明治屋の近くでセルシオがインロックしたとの知らせ。銀座でとことん探してみるけど、結局京橋の明治屋だった。
少し前の型のセルシオだが乗ってるお客さんはお若い。大きなボストンバックや布団を運び出している。
A隊員・・・「引越しでしょうか?」思わず聞いてみる。お客さん・・「そうです。会社の寮ですが、もっと広いところへと思いまして」近所へ引越しとの事で、自家用車で運搬している際うっかりインロックしてしまったとの事。開錠作業は便利な工具のおかげで秒殺させた。
場所は最高というお客さん。休日ともなれば目の前が歩行者天国になるし、買い物や食事も困らないと言われる。
振り返るとティファニーやシャネルが視界に入る。確かに夢のような場所である事は間違いない。
お金があればの話し。
中野区よりニッサン・セレナのスペア交換依頼。現着すると場所は工事現場だった。「釘でも拾ったのかな?」 と、車輌を探す。
お客さんは現場に仕事に来ていた。そして依頼車輌は働く車。荷台は満載、停車場所は若干路肩が下がっている。パンクしているのは左後ろ…結構な気合が必要になりそうな予感…そんな事はさて置き、早速タイヤを見てみると…サイドウォールを横から見て円く一周裂けている。あちこちに手がズボッと入るくらい大きく裂けている。そしてパンクの原因は劣化の様だ。
セレナはボンネットにスペアが入っている。荷台の荷物を下ろさなくて良いのは助かりましたが、荷台が満載と路肩が下がっているのでとにかく重い!ジャッキを回すクランクがしなる位に重い!こめかみに血管を浮かせ、真っ赤になりながらジャッキアップ。そして何とか交換終了。外したタイヤを改めて見てみると…トレッド面とサイドウォールが劣化と重量に負け、ずれた為にバーストしている。他の3本のタイヤも同じように劣化している。全部交換しないと他のタイヤがバーストする可能性が高い、危険なので直ぐに全部交換して下さいと伝え作業を終了した。
タイヤは生物。タイヤのひびは劣化の証。バーストは危険ですので劣化の兆候を発見したら早めに交換しましょう。
とある公園でジャグリングの練習をしている人を見た。時間があったので遠くから見ていた。暫くすると友達らしき人が来てパントマイムを始めた。つい時間を忘れて見入ってしまった。
H隊員の知り合いにパントマイマーがいます。最近は連絡を取っていないのですが、彼のHPを見ると積極的に活動をしているようです。以前は公演の連絡を貰っていたのですが、仕事の都合が合わず行けずじまいが続いた。その為か疎遠になってしまった。
彼はかなりの頻度で路上パーフォーマンスをしていると言っていた。だけど路上でやっているときは来てくれるなといっていたな~。邪魔されるとでも思っていたのかな?
暫くぶりに連絡を取ってみよう。時間の都合を付けて路上でやっているのを見に行こう。※笑わせたりとかの意地悪はしませんよー!
と言うわけでストリートパフォーマンスをどうぞ→
夜勤担当の朝、仮眠から目覚め布団を抜け出す夕べは仕事も落ち着いており、とてもゆっくり眠れた昨日の連続パンク対応の影響か、両肩から背中にかけて軽い筋肉痛を感じる運動不足を痛感する度に、仕事の合間のストレッチなども考えるのだが実行に移せず現在に至るコーヒーを啜りながら体をほぐしてみるも、鈍い痛みはとれない、両腕が重く感じるだが今日は、この夜勤を終えれば休日が待っている。筋肉痛もどこかへ吹っ飛ぶというものだ
天気予報を確認しながら休日のプランを立てる。とりあえず自宅に戻り雑用を片付けてから、普段ゆっくり見れないホームセンターにでも行く、夕方からは雨予報なので帰宅、飼っている猫のシャンプーをする。よし、決まったこれで行こう!と、その時、出動要請が入る、時間的にこの作業を終えて休暇に入れそうだ。
目黒でクラウンのインロック、トヨタの内溝キーの開錠だたまにハマる場合もあるけれど、今回は3分程で作業完了♪早くて驚いたお客さんに「すごいよ、カッコイイよお兄さん」との賛辞を頂きつつ休暇に突入
当初のプラン通りに自宅に向かう・・が、なにか忘れている様な気がする・・・・・・・そうだ、日記のUP作業が滞っていたのだ今日のプランを全て終えてから・・との案が頭に浮かぶが1秒で却下そんなことをしたらロクな事にならない事は小学生時の夏休みの宿題で嫌という程経験済みだ「しかし、あの大量の宿題も今になって活かされてるって事は、宿題そのものよりも、問題を先送りにしない経験を積ませる為のものだったのか?」「すごいよ、カッコイイよ先生、いやもしかしたら文部省」・・・
などとどうでもいい脱線をしつつも、数分後には日記のUPという逃れられない現実に苦悩するのであった・・
中野区にてフュージョンのパンク修理の依頼今日は朝から忙しく、出ずっぱりの状態だ。杉並の作業を終わらせて現場に急行する。
現着し、パンクしたリアタイヤの外周を点検するも、異物が見当たらない持参のポンプで空気を入れて穴を探す確かに空気は漏れているのだが、なかなか位置を特定できないかすかな「シュー」という音を追うのだけれども、周りの騒音にかき消される。以前、目に空気を当てて穴を探す特技を聞いたことがあるけれど、なぜか試す気にはなれない。
穴を探してタイヤを3周ほどさせた頃だろうか、ようやく場所を特定できた修理可能なレベルなので一安心しつつも、急いで修理にとりかかるバイクの場合、スペアタイヤなどは積んでいない為、現場で修理出来ないとかなり大がかりな対応になってしまう。修理を完了し、お客さんにも安堵の表情が浮かぶ。
「修理できて良かったですね」などとお客さんと話しながら作業書類を作っているところに次の作業の連絡が入る、車種はアウディ、トラブルは・・・パンクだ
しかし最近本当にパンクが多い、暖かくなってきた事にも関係あるのだろうか?
新宿でバッテリジャンプの依頼滞りなく終了。本部への帰途に着く。途中、甲州街道を進み中野通りのオーバーパスも下りきったとこ100mほど先でいきなり渋滞が始まる。どうやら車が止まっているようだ。『故障か・・』クラクションの嵐の中、車に近づくとシルバーの子ベンツ、いわゆる190E。運転者は顔面が蒼白になって固まっている。 無理もない、ヨリによってこんな場所では・・走っている最中に止まってしまうのだからガス欠でないとすれば現場復旧は厳しそう。とりあえず車を脇に寄せさせようと車を押す事にした。「ニュートラに入れて」 「ハ・ハイ」左端に寄せては見たものの邪魔加減には変わりない。
窓を開けさせ石になったお兄さんを問い詰める。「セルは回りますか?」 「ハイ」 ・・確かに回っているがエンジンはかからない。「ガソリンは?」 「入っています」 ・・こりゃ駄目だ。ここで立ち去っても良かったのだが、そうしたらこのお兄さんは間違いなく泣きだす。と判断し、車をさらに押す事にした。 だが路肩は遥か150mはある向こう。一人では厳しいなと考えていると、後ろから「手伝いますよ」の声バイク乗りの若い衆が声を掛けてくれた。二人ならナントカ・・と思う間もなくもう一人参加。「押しますよ」の声固まったままの運転者は使い物にならなそうなので三人で押す。ゆっくりとだが車は動いていく。 三人ともバイクは路上に放置してきた。
100mほど進んだあたりから隊長の身体に異変が起きた。 「無茶苦茶キツイ」のだ息は上がるは足は震えるはどうにも力が入らない。が、ここで引いては手伝ってくれている若い衆に申し訳ない。息も絶え絶えにたどり着く頃には、車に引きずられていただけだった。あまりの衰弱ぶりに若い衆が 「だ 大丈夫ですか?」と声を掛けてくれるも返事が出来ない。膝もガクガクいってまともに立ってられないのだ。運動不足を自覚はしていても一日一箱の煙草もやめられず現在に至る。その体力のなさに泣けた。運転者のお兄さんが感謝の意を余すことなく表現していたが、こちらは意識が飛び飛びだ。手に三千円握らされた。
「 俺は金が欲しくてアナタを助けた訳じゃない、迷惑を被るであろう他の何百台という車を助けたのだ!」
勿論、声など出せないので眉毛で啖呵を切る、。二人の若い衆を手ぶらで返すのも悪いのでそのまま受け取る。三人で千円ずつ分けた。何よりも嬉しかったのが、世知辛い世とはいえあの状況で「手伝いますよ」といってくれた事だ。捨てたモンじゃないぜ東京。颯爽と立ち去る予定だったが、息が上がってどうしようもないので30分公園で死んでいました。
夕方、練馬駅近くでBMWのガス欠依頼。現場でお客さんと合流すると凄まじく恐縮している。あまりの恐縮具合にこちらが恐縮してしまう。「急いで子供を塾に迎えに行かなければならなくて、給油の事をすっかり忘れてしまったんです…」上品なお母さんは恥ずかしそうに言った。
作業を終えた別れ際。「ちょっと待って下さい」と言って車の中から何かを取り出す。手渡されたのは熱々のたこ焼きとタイヤキ。わざわざ買って業者が来るのを待っていて下さったらしい。恐縮しながら受け取るH隊員。「冷めないうちに召し上がってください」と言いお客さんは子供迎えに車を発進させた。
たこ焼きとタイヤキは夕飯の代わりに美味しく頂きました。
拠点での夕飯にタコライスを作ってみた。ネットで調べたサルサソースの作り方が、自分の味覚にヒット!都合二合を食す。その後、吉祥寺本町にバッテリージャンプに行くが、途中で腹がおかしくなる…本来、小食なのに二合も欲張って食べた事を後悔するも、現着寸前で何とか持ちこたえた。そのまま、問題無くその日最後の仕事をこなし、腹痛のことなどすっかり忘れて家路に着く。
就寝前、腹の激痛を思い出しその後何の音沙汰も無い事を不安に思ったが取りあえずタコライスに腹が勝ったと言う事にして寝る。そして…午前三時に死ぬんじゃないかと思うくらいの腹痛に叩き起こされる。脂汗を流し這うようにトイレへ…
タコライスに負けた…
改めて「腹八分目」の意味を知った夜でした。
豊洲でミラバンがインロックしたとの知らせ。最近自社受注の案件が多い気がする。
お客さんは作業現場への通勤車として最近購入されたようだ。リヤスペースの工具置き場の上にカギを置いてしまい、ハッチバックを閉められた様子。
「これだけなんですよ・・」お客さんはいくつか車とバイクを所有していて、ロードサービスに加入してないのはこの通勤ミラバンだけらしい。ロードサービスの各社比較や、車やバイクを購入された経緯などお客さんのお話しに一喜一憂するA隊員。何とも作業料金が頂きにくい・・
「あの~料金のほうなんですが・・」思い切ってお伺いをたてた。
「お?そうそう!早く言ってよ!もう♪」
哀愁漂う、お客さんの財布を眺める背中にA隊員はただ見守るだけしか出来なかった。
深夜、杉並区桃井よりビュイック・リーガルのガス欠依頼。小雨降る中現場に到着すると裏道の真ん中に車輌は停まっていた。いくら深夜とはいえいくら裏道とはいえ停まっている場所が場所なので速やかに移動しなければ。
後ろのナンバープレートを手前に倒すと給油口がありそこからとくとくと給油。お客さんに始動の確認をお願いすると大型トラックのような音を立ててセルが回った。だがエンジンがかからない。「ガス欠じゃないのか…?」お客さんが独り言を。その後、ハンドル左にある5個ほどのスイッチをパチパチと押し出すと突然車が飛び上がり中に浮いた。「え"!!」呆然とする中、更に車としてはありえない動きを続ける。ただ立ち尽くし見守るH隊員。妙な動きがひとしきり収まった後にセルを回す…ギュォィギュォィギュォィ バブゥーン轟音と共にエンジンが始動した。
それにしてもビックリです。映像では見たことありましたが、目の前で車が完全に中に浮くなんて始めてみました。
帰り道、頭の中でループした曲はこれ→クリック
「先輩方の実績に傷が付かないようにしなければ・・」J隊員がプレッシャーと感じる「開錠作業」の話しで盛り上がる。
技術指導を含めたバックUPは万全だが、やっぱりプレッシャーだけはしょうがない。乗り越えてこそ技に磨きがかかるというもの。
そんな時にH16年式ジャガーSタイプがインロックしたとの知らせ。向かっている最中ふと考えた。J隊員から見れば余裕たっぷりに見えるA隊員。「プレッシャーを乗り越えてこそ」なんて偉そうに語ってみたところで実際のところ不安に満ちた小心者なのだ。
色んな邪念を捨てて、指先から伝わる感触を頼りにピッキング。何とか5分で開錠できたから、先輩としての体裁はギリギリ保った形となる。
「やっぱ早いっすね♪」とか「さすがは・・」とか言われつつも薄っぺらい余裕をとりつくろうのに精一杯のA隊員であった。
A隊員はバイクみがきが大好きだ。もちろん順序があって、洗浄と注油を一番に、余力できれいにしている。
それは周りから見て「異常」に達するレベルらしく、「そこまでするか?」的なツッコミを良く受ける。
自分の持ち物を、単なる「モノ」として接する人には理解できないかもしれない。A隊員にとってのバイクは、日々を充実させるには切っても切れない関係で、乗る時や整備のその全てが「楽しみ」の対象となっている。もはや至福の時間を共にするパートナーに近い。
バイクをお金につなげる人も少なくないと思う。「いつ売るか」を気にした瞬間、自分の貴重な時間を犠牲にしてそうな気になってくる。大切なのはお金儲けなのか、時間の過ごし方なのか・・
友人が適切な言葉を見つけてくれた。「バイクを楽しむというよりは、味わうに近いよね」
妙に的を射ていておもしろい。
宵の口、首都高7号下り線 錦糸町を越えた辺りからCB400SFのガス欠依頼。
詳細を聞いた時に記憶の片隅から蘇るものがあった。お客さんの名前はMさん 性別は女性昔同じ名前の女性に知り合いがいた。当時、彼女はバイク便をしていた。
知り合ったのは確かオウム事件の後くらい、かれこれ11年前になる。ワンルームの部屋で大家に隠しながら中型犬を飼い(隠しきれるのか?)当人は死後の献体提供に登録をしていると言っていた。およそ化粧気が無く、ホンダのVT250Zを心から愛し、Tシャツの裾がちょっとだけジーパンからはみ出し、そして何時も真っ黒に汚れた顔でバイクに乗っていた。そんな女性だった。最後に会ったのは7年前…懐かしい記憶を思い出しながら現場に向かう。
7号線錦糸町付近は路側帯が無い。目標は非常退避帯。錦糸町入り口を越えて暫く行くと退避帯に停車しているバイクを発見ウインカーを出しポンピングブレーキで後方に注意を払い減速する。退避帯に滑り込むと同時にすぐ横をトレーラーが怒り狂ったように何台も通り過ぎる。真っ暗で轟音鳴り響くなか、お客さんに近づくとそこにはMがいた。「あ"ーーーーーーーーーーっ!!」お互いに指を差し合ったまま暫し固まった。あまりの偶然と懐かしさで話が止まらなくなりそうだったけど、場所が場所なので速やかに給油し高速を降りる事に。一番近い小松川出口で高速を降り自動販売機を目指す。そこで缶コーヒーを買い質問合戦となる。
犬は3年前に老衰した。彼氏が出来て同棲したが振られた。そしてまだバイク便を続けている。彼女から聞き出したのはこんなとこだった。
ひとしきり話をした後の別れ際、僕の「まだバイク便を続けるのか?」の問に彼女は微笑んで「天職だから」と答えた。
下落合でワゴンRのスペア交換。作業中、首輪をした猫に見つめられた。暫しガンの飛ばしあいになる。こちらをじっと見つめた猫は、視線をそのままに突進してきた。そしてしゃがんだ僕の股の間に入ってきて足にじゃれ付いてきた。「う!…ヤバイ…」触りたくてしょうがない。だが今は作業中、猫とじゃれている暇は無い。猫を踏まないようにして作業を済ませ、お客さんにサインを頂く。最後に挨拶を交わしてバイクに戻るとき、猫を探したがいなくなっていた。
う…
じゃれたかった…
と言う訳で猫動画をどうぞ→
世田谷からベンツのバッテリー上がりの救援要請20分程で到着し原因をお客さんに伺う。なんでも1週間ルームランプを点けっぱなしだったらしい。
ルームランプのような小電力機器で長時間放電した場合、バッテリーが空っぽになっている場合が多い。残量が0ボルト近くなるとテスターの反応も怪しくなるこういった場合、始動も難しくなる。特にベンツをはじめ最近のドイツ車はコンピューターの塊だ、うまくセキュリティを解除してやらなければ始動することは出来ない。
ブースターを接続し、10秒ほど待つ。車体後部にあるバッテリーの下の辺りから燃料ポンプの作動音が聞こえた。と、同時にスターターを回す、
キュ・・キュキュ・・ブゥゥゥゥよかった、何とか一発で始動した。始動に手間取ると車の電力使用量が多いため、ブースターの性能低下が著しい。よって手間取るとその分始動が難しくなる。
ほっと胸をなでおろし、お客さんを見送った後に考える。不思議な点がひとつあった。左ハンドル車なのに鍵穴が右ドアにしか無い、以前、H隊員も遭遇したようなのだが明らかに右ハンドルを左に改造してある。それほど左ハンドルの需要があるのか??
どうにもすっきりしないまま、ブースターの充電に帰社を急ぐJ隊員でした。
銀座プランタンにてシボレーサバーバンがインロックしたとの知らせ。シボレーと聞くと少々眉をひそめたがる。
GM系のカギは2種類あって一方はピッキング出来るけど、もう一方は出来ない形状だ。時間にすると1分で開けられるか、10分かかるかの違いが出る。
現着早々お客さん「急いでいるんですが大丈夫ですか?」横目でチラリと鍵穴確認を済ませ「1分下さい!すぐ開けます!!」作業前のご本人確認を済ませて、そのまま書類にサインを頂く。本来サインは完了後に頂くものだが、時には臨機応変さも必要だ。およそ1分後にはサバーバンを見送れたから結果オーライとなった。
もう一方だったら、残念ながらこのようには行かない。あまり出会いたくないシチュエーションは、日頃の運次第かと考える。
そういえば似たようなカギが新型エスクードにも付いていた。GMとスズキの連携はカギまで影響するのであろうか・・・
佐川急便のターミナル内で、シャリオがインロックしたとの知らせ。現着するまでターミナル内をウロウロするが、ちょっと気になるものを見つけた。
自動販売機の並ぶ休憩所の中で、ひときわ目立つのは軍手や前掛けといったドライバーさんのグッズの販売機。
感心していると、お客さんから声をかけられ作業開始。ものの数分で開錠すると、お客さん「これで缶コーヒーでも飲んでいきなよ」あの気になる自動販売機の前で120円頂いた。恐縮しながらも、何を飲もうかな~と見回してみると、さらに興味深いものを発見した。販売元が佐川急便のSAGAWAブレンドコーヒー・・・何じゃこりゃ?しかも100円という事で迷わず購入する。
味はというと、カフェイン多めのワンダ朝専用に似た感じ。パンとジュースと消耗品の販売機、たった3つだがとても機能的な空間を満喫した。
しかしSAGAWAブレンドの効き目はすごすぎる。夜になっても眠れそうにないA隊員であった。
久々に港担当のA隊員。朝からベンツやアルファといった外車の開錠作業に追われる。
白金や高輪では、狭い路地を高級車が行き交う。お客さんは女性の方が多く、言うなれば「セレブ」かと思われる。
23区ごとに、カラーが出るところは面白い。江東の要請はキャラバンやハイエースといった働く車が多いし、葛飾や杉並はファミリーカーが多い気がする。よくお礼も頂くけれど、白金ではブランデーケーキっぽい?洋菓子で高級感たっぷりの器が印象的だった。
ハイソな空気はもちろん好きだけれど人形町にて「寒いところありがとね」と手渡しされる饅頭も、また格別なのだ。
神田西福田町にてレパードがインロックしたとの知らせ。「お急ぎ」の案件だが、場所的な不安を募らせながら急行した。
神田周辺は古い町名が多く、区画整理のセオリーが全く通じない場所だ。およそ10年前に大ハマリした思い出は、そのままトラウマとなっている。
そんな不安を消し飛ばす、12分の一発現着。「お急ぎ」に充分応えられる環境が整い、お客さんへご連絡した。お客さん・・「昼食を食べ終えたら向かいます」A隊員・・・・「かしこまりました・・・?」想像していたシチュエーションとだいぶ違った感じだ。
およそ20分ほど経過したであろうか。走ってくるお客さんと合流。ご本人確認を済ませると、代わりの方が立ち会うことになった。代わりの方・・「商談相手がイギリス人だから時間厳守なんだよね」
なんとも複雑な気分になった。
外神田にてラルゴのバッテリーが上がったとの知らせ。現場は新しいビルの地下駐車場で、ダメモトで警備員との交渉に入る。
A隊員「救援作業で10分ほどですが、よろしいですか?」警備員「どうぞどうぞ。そのまま地下へ入って下さい」
あまりバイクで地下駐車場まで誘導してくれるケースは少ないのでめずらしい。というか駐車料金が発生しそうなときには、予め地上に駐輪してから機材を運んでいくのでめったな事では地下まで入ることはない。地下での作業は問題なく始動でき、予定の10分で駐車場を後にする。
誘導してくれた警備員にご挨拶しようと声をかけたところ、「駐車料金は1,000円になります」
ついさっきまで、いい人に見えた警備員が悪魔に見えた。もちろん事前に料金の話しがなかったので「今回だけは・・」という事でお見逃しだが二度と地下駐車場へは入りたくないA隊員であった。
白金でボルボV70がインロックしたとの知らせ。本来担当エリアではないけれど、帰宅中のA隊員が一番近かった。
お客さんは「本日中に開けてくれれば・・」と言うけれど、まだ18時なのでゆったりした気持ちで作業開始。
そういえば先日同車で、D隊員が大ハマリしたことを思い出す。原因はシリンダーが元々壊れていた為だが、他のカギ屋さんとの共同戦線で何とか、お子さんを救援したのはD隊員であった。
今回はドアシリンダーに異常がないので2分で開錠する。しかし・・ドアシリンダーが異常な時に限って、何故お子さんもインロックしてしまうのか、ピッキングできる時になって、「ゆっくり」といった状況なのか・・
トラブルにイレギュラーも何も関係ないので、全てこちら側で改善していく他はない。イレギュラーの状況でも、さらに「時間短縮」を考えてみる。考える材料が難しいほど、何だか燃えてくるA隊員であった。
「また子供か!」最近、本当に多い。子供閉じ込みインロック
朝一に川崎市有馬での要請。寝ぼけマナコで「40分で」と言ってしまったのだが、よく考えると杉並拠点から現地まで40分では結構きつい朝ラッシュの環七を走りぬけ、246号をひたすら下っていく。30分チョイチョイで到着した。思ってたより早い。このような時に調子に乗ってはいけない・・と自分を戒めつつ閉じこんでしまった母親と合流。車はゴルフ幸いお子さんは上機嫌 こちらをニコニコ眺めている。ならば鍵に集中できるなと作業に入ると、程なく「~さ~む~い~~」と 地の底からの唸りのような声ともつかぬ響き
鍵を閉じこんで『シマッタ』の瞬間から隊長が到着するまで概ね50分くらいは経っていたのだろう。暖かくなったとはいえまだ2月の朝、薄手のカーディガン一枚では確かに寒かろう。およそ30秒に一回の頻度で「ン~サ~ム~イ~」と漏らしている。釣られて隊長も「ブルブルッ」とくる。
4分ほどで開錠したので子供さんも無事、お母さんへの負担も最小限だったと思うが4分の間に7~8回の唸りを聞く羽目になる。いや 女性でもあんな声が出るのだと勉強になりました。
渋谷の近くでインロック、車はチェイサー速やかに到着。
ここ最近寒さも丸くなってきたせいかバイクの調子がやたら良い。軽やかに吹けるエンジンで颯爽と登場。御客様と交差点で待ち合わせ車の場所まで移動する。では早速・・と鍵穴を覗いてみる。特段の不都合はなさそうだ、すぐ開くだろうと作業開始の2秒後・・後方より「あの~」 と見知らぬ第三者が声を掛けてくる。何の用かは知らないが、「なに?」と御客様が応じる。そちらは任せて作業再開・・「この鍵は御宅さんのじゃないですか?」と、その男性。
へ・・
「あ~!そうです。落としちゃってましたか!」と御客様隊長はといえば鍵穴から目をそらすことも出来ずに固まっている。
「開けてからにしてよ・・」と隊長の心が叫ぶ。開錠成功とキャンセル扱いでは天地の差金額はともかく高まるやる気をポッキリ折られたような感じ。まあ 開けたとしても鍵を失くしたままでは動かせないのだから結果はよしとする。書類を作りながら御客様のズボンに指三本分のポケット破れを発見し「今日にでも縫っておいたほうがよさそうですね。」と要らぬアドバイスなどしてみた。
表参道でフォードの何とかいう車がガス欠。燃料10L持ってとっとこ伺うと、大きなバンが車線を半分塞いだ状態で止まっている。後方からは嵐のようなクラクション。苦笑いの御客様に笑みを返し、急いで給油を始めると遠くから「・・ナントカカントカを・・・ナントカせよ~!」みたいな怒号が聞こえてきた。どうやらこちらに向かってくる雰囲気。・・まずい・・街宣車だ・・こんな状況で遭遇したら穏便には通り過ぎてはくれない・・と思う。御客様も察してるようだ。顔がこわばってきている。急いでも時間が変わらないのが給油作業なのだが、とりあえず完了。「エンジンを!」言い切る前に反応した御客様、キーを捻るも『グググウ~』とバッテリーが反応しない。・・上がってる・まずい・落胆している暇は無い。もう街宣車の怒号はすぐそこまで来ている。ボンネットを5秒で開けブースターを噛ませる、間髪をいれずエンジンを回してもらう。1回・2回・3回・エンジンが掛からない。まだガソリンがまわっていないのだろう。4回目に軽快に始動、ブースターを外しボンネットを2秒で閉め、脇に寄せてもらう。道が開いた車線は冷たい視線の雨とともに間断なく車が流れていく。安堵の表情を浮かべる御客様が握手を求めてきた。まるで映画のワンシーンを切り取ったかのような緊張からの開放。この短時間での到着・完了は助人ならではだ。早々に処理を終え、御客様を送り出す。
と同時に街宣車は手前の交差点で曲がって行った。シュプレヒコールと共に彼方へ。ああ 映画のワンシーンはコメディだったんだとその時気付いた。
先日休暇のA隊員、初めてディズニーシーへ行ってきた。ランドがアトラクションとすれば、シーはショーの印象が濃い。
園内を歩いていると、係りの人が多い事に気付く。ショーに関わる人、店員や掃除の係りと見た目で分かるけど、驚いたのは掃除の係りの人でも園内を熟知していて、違うエリアのお店の内容やショーの詳細を教えてもらい随分助かった。
また、トラブルを未然に防ぐ工夫が施されている。とくにショーの開催前は徹底していて、席までの案内や入場制限はもちろん、立ち見の場合どこまでが座って下さいと言うけれど、「お尻を付けて」といった指定が個別にされる。「中腰なら大丈夫だろ」は通用せず、開催中でも注意する人の数が多いので、途中退席も出来ない場合もある。
そこまで徹底しているからショーのパフォーマンスは素晴らしいものとなる。湖が火だるまになったり爆発したりと、見るものをあっと言わせる内容だ。
トラブルを未然に防ぐといっても、限られた場所でなくては出来ない事だ。我々車社会では、国とメーカーさらにはドライバーによって防ぐ手立てを施して頂くけど、それには限界がある。
トラブル後に活躍する助人サービスで働くA隊員。ちょっと贅沢な時間を過ごした。