埼玉県でインロックの救援要請。指定された広めの駐車場に到着。
「なにしに来たの?」と、なぜか子供達がお出迎え。訳の分らない質問を子供達に一斉にあびせられる。書類を取り出そうと荷箱を開けると、みんなで必至にのぞこうとする。おまけに勝手に人の道具をいじったり、バイクに股がり出す始末。
あぁ、なんなんだこの糞ガキ…いや失礼、子供達は?と思っていると御依頼主登場。さっそく開錠作業を開始すると、やっぱり興味津々で集まって来る子供達。
「なにしてるの~?」と、Y隊員の顔に自分の顔を近づけて来る。仕舞いには勝手に開錠道具をいじくりだす。さすがに、「コラ!それいじったら怒るよ!」と、たしなめると、「ふん!変な顔!」と捨て台詞を吐いて逃げて行ってしまった・・・
なんなんだこの糞ガキいや失礼、この子たちは?と思っていると、御依頼主が「すみません、しつけがなってなくて・・・」
ま、しつけも必要かもしれないが、あのぐらいの歳の子はあんなもんかも。Y隊員もあんな感じだったし・・・
あの頃のY隊員を怒鳴った大人の気持ちがわかる気がした。それと同時に、もっとちゃんと怒ってあげればよかったな、と後悔した。
調布での作業の帰り道、満開の桜に足を止める。今年は早いと言われていた開花予想が見事に外れ、忙しさに桜のことなどすっかり忘れていた。
穴場的な場所なのか宴会などは見られないこの場所、写真を撮る人だけが数名見られるのみだ。
J隊員の花見は毎年こんな場所で行っている。大人数ではないので僅かなスペースがあれば良いのと、なにより静かな事が気に入っている。
川面の上に華やかな枝を伸ばすソメイヨシノを眺めながら、数日後の非番には花見を、と心に決める。後はその日まで散らないでいてくれる事を祈るばかりだ。
思い返すと毎年滑り込みセーフのJ隊員の花見、満開と同時に日中の花見が出来る人々が不思議でしょうがない
オデッセイのパンク救援に向かう、夕方のラッシュをかき分けながら現場へと急ぐ
現場は品川区の首都高ランプ近く、現着すると辺りにはゴムの焦げた匂いが漂っている。高速降り口すぐのところにクルマが停まっていることから、低圧走行によるバーストが原因なのは容易に想像出来た。
「バーストするほど空気が減っていたのに全く気付かなかった」しきりに不思議がるお客さん。でもそれはお客さんのせいではないと思う。しいて言うならクルマの走行性能が向上している為だろう。
空気が抜けてゴツゴツした振動を吸収するのはサスペンションの仕事、したがって乗り心地が良いクルマほど空気圧の低下は分り難くなる。また、一輪だけ空気圧が低いタイヤで走った場合、抵抗の多いそのタイヤを中心にクルマは曲がって行くはずなのだが、ある程度まではクルマが修正してくれる。もし簡単に曲って行く様では走行中にバナナの皮を踏んだだけで大惨事だ。
気落ちするお客さんを何とかなぐさめて見送る。クルマの性能向上により、気付きにくくなって行くタイヤのトラブル、そういった問題からなのか、某ドイツメーカーでは一部の車種にパンクしても走れる装備を施している。これは空気が抜けても潰れない剛性の高いタイヤを装備し、空気抜けを感知したクルマのコンピューターがサスペンションを制御するというもの。これである程度の走行は可能になるらしいのだ
パンクしても立ち往生しなくて済むことは、ゴム製の車輪を使うクルマにとって画期的なモノ。スペアタイヤという言葉すらなくなってしまうのは、そう遠くない未来かもしれない。
目黒区中根でフォルツアのバッテリージャンプの救援要請。夜も10時を過ぎていたからかもしれないが、大田拠点から出撃し、なんと10分程で到着。
大田拠点のアクセスの良さに感心しながらインターホンを押す。「ごめんなさいね、こんな夜中に…。」と恐縮する御依頼主に状況を聞き、作業開始。残電圧9V、走行充電が必要な状況。その旨を話そうとするが御依頼主がいない。取りあえずブースターを繋ぎエンジン始動。
「あれ、もうエンジンかかっちゃったんですか?」と、湯気立つコーヒーカップを手 に御依頼主。取りあえず30分ほど走り回れば復活する旨を伝えると、「そうですか。これ作業しながら飲んでもらおうかと思ったんですが・・・」と、おいしそうな入れたてのコーヒー。
お見送りをした後、受け皿付きのカップに入ったコーヒーをすする。路地裏の街灯の下で。
普段はこういった風景の中だと缶コーヒーをすすっているので、違和感があったが、ちょっぴりリッチな気分にもなった。
おいしかったです♪
「この時期はバイクの救援多いでしょ?」ジャンピング中にお客さのお客さんの問いに、ちょっと考えてから「季節がら多いですね」と答える。
半年ぶりの始動に不機嫌そうなアイドリングを始めるマグナ250、まるで冬篭りから目覚めたばかりで寝ぼけているような感じだ。
バイクの中には冬眠するモノがある。正確にはライダーが、なのだが寒さが厳しい間は別の移動手段を用いる人が結構多い。それが春先になって引っ張り出してきたものの、冬季の放電で始動出来ない、そんな案件が集中する時期なのだ。
お客さんの問いにはそんな意味があるのだろう、しかし、あの様に答えたのだが今年は目立って多くないような感じ。
ようやく目が覚めたのか、次第にアイドリングが安定してくる、そろそろ大丈夫とシーズン初乗りに走り出すお客さんを見送った。
問題になっている温暖化による気温上昇、しかしバイクのトラブル減少には貢献しているのかもしれない。
練馬区大泉にてベンツの450SELのインロックの救援要請。春らしい日差しの中を出撃した。
程なく到着すると御依頼主のお母さんがお待ちかね。御依頼主は仕事に出ているんだとか。お得意様に、代理の方での立ち会いOKを頂き作業開始。
「そんなに急いでいないからね、私の車じゃないし。」とお母さん縁側で日向ぼっこをしながら作業中のY隊員に話しかけて来る。
「お兄さんは結婚してるの?」「もうウチの子はいい歳なのに結婚せずに遊んでばっかしなのよ。」「結婚せずにこんな車を買っちゃって、こんな事してるしそろそろしっかりしてもらいたいもんだわ。」
話を聞きながら、そういえばY隊員の母親もこうだったな~と思い出し苦笑した。ま、結婚した今も相変わらず心配はしているが・・・
しかし、なんだか春の日差しのような暖かな気持ちになった。
仮眠中の出動要請に大田拠点を飛び出すと、外は春の嵐。暴風雨の第二京浜を木の葉の様に振られながら目的地へ急ぐ。多摩川の河川敷、エルグランドのインロックだ。
(・・・河の様子でも見に行ったのだろうか?)増水した川を眺める事をを密かな楽しみにしているJ隊員は、疑いも無くそう考える。圧倒的な水量で荒れ狂う濁流を見ていると、なんだか背中のあたりがゾクゾクしてくる。他人には何が良いのか具体的に説明出来ないので秘密にしているが、もしかしたら救援を待つお客さんは同じ様な楽しみを持っている人かもしれない。
強風が吹きすさぶ土手の上から救援車両を発見、川岸近くの救援者までぬかるみを突っ切って近づくと、数人の野球用ユニフォームを着た人達が、その中の一人がお客さん。どうやら朝野球を中止にしたところでインロックしてしまったそうな。
お客さんは濁流愛好家ではなかったが、作業後に多摩川を眺めて帰る。濁流のすばらしさを写真に、と思ったが暴風雨に撮影を断念、代わりに大田拠点からの風景を撮ってみました(雨だけど)。
高円寺にてフィットがお子様を閉じ込めてインロックしたとの救援要請。久々の内溝キーに、久々の子供インロック。お子さんは寝ているとの事だが、万が一を思い20分での現着を目指す。
何とか、20分かからずに到着すると、騒然とした状況。車内で泣き叫ぶ2歳ほどのお子さんを、冷静になだめつつ、なんとか誘導して開錠しようとするご両親。
事前の確認作業を後回しにし即座に開錠作業に着手。久々の内溝キーだが冷静に触れば1分ぐらいで開くはず。しかし、焦っているのかイマイチ手ごたえがない。
「ホンダの内溝はたまに壊れている場合があるんだよね。その時はなかなか開かないよ。」と、以前J隊員から言われた事を思い出し、パニックに陥る。ヤバイ!と思っている自分がヤバイと感じ、冷静に。冷静に。と思っていると急に手ごたえが。そして無事開錠。
ふと、ママさんを見ると、急に涙がぽろぽろとこぼれだした。「しばらくぶりの再会ね・・・」とお子さんを固く抱きしめている。
作業書を作成する為、時計を見ると現着してから2分しか経っていない。ご依頼家族とY隊員、かなり濃密時間を過ごしてしまったようだ。
昨日に続いてまたまたフュージョンの救援依頼、今度はバッテリー上がりで始動出来ない案件、自宅で3ヶ月乗っていない為の放電だ。
現在のビッグスクーターブームの先駆けとも言えるこの車体、最近のモノに比べるとバッテリーへのアクセスに少々手間がかかる。脱着する部品のハマリが悪かったりすると、エンジン始動の後、元に戻すまでに10分程もかかったりする事も珍しくない。
今回も取り付けに苦労して完了、お客さんに走行充電をアドバイスして帰ろうとすると、「一回エンジン止めちゃっていいですかね?」とお客さんなんで???・・・今エンジンを止めたら絶対に自力始動は不可能だ。不思議に思い聞いてみると、ヘルメット等の装備類が車体後部のトランクに入ってるそうな、そのトランクを開けるにはキーが必要、そしてキーは現在イグニッションにささっている・・・
ヘルメットは家の中まで持って行くのが当然と思っていたJ隊員、そもそもバイクを乗り始めた頃にはメットインなんてなかったし!一方、収納スペースがあるのだから入れておくのが当たり前と思っているビックスクーター世代のお客さん。ともかく世代のギャップはJ隊員を今夜もすんなりと帰してくれそうにない。
ホンダのフュージョンに空気を入れて欲しい。との依頼。パンク修理ではなく、空気だけを入れて欲しいんだとか。午前4時の夜明け前に出動した。
「いつもと違うガソリンスタンドで空気を入れようとしたんですけど、差し込み口が合わなくて…。そうこうしているうちにどんどん空気が抜けちゃって・・・」なるほど。確かにスタンドの空気入れは車用に作られていて、オートバイは車種によっては入れづらくもある。
早速、空気を入れようとバルブを見ると、変な方向に向いている。これでは入れずらい。どうしてこうなっちゃったんですか?と聞くと、3ヶ月前に購入した時からとの事。「でも3日に1回、空気を入れてるんですけど、なんとか入れれるんですよね」
取りあえず、作業を完了させ、買った店でバルブの向きを直してもらう事と、3日に1回も空気を入れなくていい旨をお話しし、完了。
確かに、新車を手に入れると嬉しくて、愛車に手をかけたくなるのはよく分る。しかし、そんなに頻繁に空気を入れなくても・・・
マツダのMPVがインロックしたとの救援要請。程なく到着するとマスクをした御依頼主がお待ちかね。
「市販の花粉症の薬を飲んだら、ボーッとして閉じ込めちゃったんだよね。」聞けば、昨日も同じ状況でインロックしたのだとか。そして「開いたら連絡して下さい。」と立ち去ろうとする御依頼主。
5分以内で開くと思いますけど・・・と伝えると、「そうなの?昨日は30分以上かかったんだよね。」なるほど、と思いつつ早々に開始し1分ちょっとで無事開錠。
賛辞を受けつつ、話を聞くと、去年の今頃、やっぱり花粉症の薬の所為でインロック。その時の車は一昔前のBMW。結局、鍵屋では開かず、ディラー搬送になったんだとか。
その時、ウチをご紹介頂ければ無事解決できたのに・・と、いう事で名刺を渡し、ちょっと営業。
別れ際、市販の薬ではなく、病院での処方された薬を勧めてみた。今は、あまり眠くならない薬もある。Y隊員も使っているし。
結局、ウチの技術を紹介するより、薬を変える事の方が、根本的な解決に至のかもしれない。
品川区大井にてレガシーのバッテリー上がりの救援要請。今までは品川の出動要請は港拠点から出撃していたが、本日は大田拠点からの出撃。会心の15分現着だ。
「いや~早いね~。」などとお誉めを頂きながら、無事作業終了。「でも、オートバイで動いていると危ないでしょ?」と御依頼主。
聞けば、御依頼主自身も二輪免許を取得しようとしたらしいが、実際運転してみて、これは危ない乗り物、と感じ断念したのだとか。
たしかに、あるレベル以上のスピード出すと大変危険な乗り物になる。しかし、それは車でも同じ事。助人隊員は都内等を何十万キロも走って来た強者ばかり。事故を起こさないテクニック関しては他に追随を許さない。オートバイは乗り手によって、危険か、安全か、に振り分けされる。
などと、営業も兼ねて説明してみたところ、興味津々で聞く御依頼主。「いや~何か間違ったイメージを持っていたよ。もう一度チャレンジしてみようかな。」
自分が好きなものがちゃんと認められて、なんだか、喧嘩していた人と仲直りが出来た時の様な嬉しさがこみ上げて来た。
ホンダCB1300のクラッチレバーが折れたとの知らせ。予備のレバーを携帯されていたので、難なく修理完了。
お客さんは一眼レフを片手に、夜の都内を散策されているとの事。CB1300は美しい夜景の橋渡しとなっている。
実はA隊員も、カメラに少しずつ興味を持ち始めたばかり。今まで自分で購入した事がないので、一から機能を勉強している最中だ。カメラに詳しいお客さんから、有意義な情報をいくつも教えて頂いた。お礼に、お気に召すかどうか、A隊員の好きな場所をいくつかすすめてみる。バイク&カメラ談議も束の間、次の案件が入ってきた。
偶然にもA隊員の好きな場所からであった。お客さんに感化されて、さらに興味が深まってきたA隊員。
作業後、とりあえず夜景を撮ってみる。やばい・・・新しいカメラがどんどん欲しくなってきた。
最近、稼働車両としてハーレーのスポーツスターを使用している。基本的には趣味のバイクとして所持しているのだが、メイン機のスカイウェイブの調子が悪くなってしまった為、しかたなく代車としての使用だ。
しかし、やっぱりこの独特の乗り味は面白い。ふと、仕事を忘れてどこか遠くへ行ってしまいたくなる。こういった気分を味わえるのも、趣味と実益を兼ねれるこの仕事の醍醐味かもしれない。
そんな中、武蔵野市吉祥寺にてジャンプの依頼。出来れば、ハーレーのバイク辺りを救援に行きたいところだが、今回はダイハツのミラ。御依頼主は御夫人。
程なく現場付近に到着。しかし、分りづらい場所。何度も同じ場所を行き来する。で、やっと到着。
そして、合流して御夫人から開口一番、「あら~バイクで来るのね。寿司屋の出前が迷子になっているのかと思ったわ。」
・・・・・・
荷箱がいけないのだろうか?ま、しかし、スポーツスターでの寿司の出前も粋か もしれない。
深夜2時に西大泉にてインロックしたとの連絡。地図を見るとほんの100メートルで西東京という場所。
ちょっと広めの道路にぽつんと停まっている一台の車。「き、来た~。家、あそこなんですよね。でも、鍵もとじ込んじゃったから何にも出来なくて・・・」
徹夜で仕事を終え、眠い目をこすりつつの帰宅。自宅手前の自動販売機で買い物を、と思ったらインロック。
眠いし、寒いし、自宅近くなので変な事(?)も出来ない。八方ふさがりの状況で、Y隊員の登場。そんなY隊員が神様に見えたとの事。
すがる様な視線を受けながらのピッキング。そして1分程で開錠。「ああ…。やっぱりあんた神様だ!」と御依頼主。
正直、どん退きした。が、思わず微笑んでしまった。神様のように。
杉並区浜田山にてルノーのジャンプの救援要請。以前にも出動した高級マンションが現場だ。
「1ヶ月ほど動かしていないんですよ。海外出張が多くて・・・」と外国語訛り風に話す御依頼主。
初期電圧を測ると5V。交換から2年との事だったので、交換する事をメインにアドバイス。
「実は、このバッテリーに交換してほとんど乗っていないんですよね。」聞けば、本当は帰国する度にもっと運転したいのだが、奥様が健康の為に、と車での外出をさせてくれず、もっぱら歩いて外出をさせられているのだとか。
「それでいざ車を使う時になってバッテリーが上がっていると、怒るんですよ。私はどうすればいいんですかね?」
高級マンションに高級外車。環境は違えど、愚痴は庶民のY隊員と似た様なものだなと思った。
明け方近くにトランザムのインロック開錠依頼ところがこのクルマ、ピッキング不可能なタイプのカギが付いている。助人得意のピッキングを封じられ、仕方なく別な手段での開錠を開始。
ゴソゴソと開錠ポイントを探りながら作業を進める。が、ピッキングの様に2~3分とは行かないのがツライところ、今回は手間取りそうな・・・
予感がした瞬間に次の出動要請が入る・・・逆算すると猶予時間は10分!当然作業の手は速めるものの、もう少しのところで開け切れない。様々な要因でプレッシャーが頂点に達すると共にある記憶が蘇える。
それは20年位昔のTVドラマ、その中に出てくるスーパーカーも現在格闘中のトランザムをベースにしたもの。決定的に違うのはAI(人工知能)が搭載されていること。つまりクルマが持ち主を識別するのでインロック知らずと言う訳だ。「お帰りなさい、マイケル」とか言ってドアロックを解除してくれるに違いない。あぁ、AI付いてれば良いのに・・・・
そんな事を考えているとは微塵も出さずに作業を続ける事、数分「ガチャ」ようやく開錠、時計を見るとギリギリセーフ、一瞬で事後処理を終えてバイクに飛び乗る。
次の現場までの道のりを急ぎながら、回想の続きに耽る。もし実現できたら良いこと尽くめのAI搭載車、セキュリティだって完璧だ。悪戯しようとした悪人を電気ショックで撃退していたのを思い出す。
・・・しかし誤作動したら救援不可能車両になるんじゃないか?電気ショックではピッキングどころでは無さそうだ・・・
近い未来に当然出てくると思っていたAI搭載車、実現できないのではなく、実現させられないのかもしれない。
都内では路上駐車の取り締まりが一層厳しくなっている。しかし、そんなのへっちゃらな場所も存在する。
大通りから一本入った墨堤通り、墨田公園付近は日中路駐天国になる。ほとんどが寝てるか、隅田川を散歩するかで癒しのメッカとも言えそうだ。
ふと商売っ気が顔を出す。周りにお店や自動販売機もないのに、人はたくさんいる。ましてや隅田川を眺めるロケーションまで用意されているのだ。ランチワゴンや屋台、移動カフェでもいい。そろそろ桜で賑わいそうだし。
いつの間にかA隊員の好みになってきた。特に移動カフェはいい。コーヒーには空間が大切な要素になる。挽きたての豆で「隅田川」を楽しみたい。
こんなのがあったら良いな・・と思うのは尽きないから楽しい。
日が沈んだ頃、世田谷区祖師谷の商店街にてカローラがインロックしたとの救援要請。中野、杉並拠点とも出動中だったので、急遽、新設の大田拠点よりヘルプ出動した。
「もう寒くて寒くて、待ってる間にお腹が痛くなっちゃったわ。」と御依頼主。たしかに到着まで30分少々かかってしまった。それを挽回する為に早々に作業開始し、1分の快速開錠。
「あら、あなた腕がいいわね。さっき来てくれた人は少しガチャガチャやって、これは開かない鍵だ、って言ってとっとと帰っちゃったのよ。」
で、違うカードのロードサービスを思い出し、そこからウチが対応させて頂いた様だ。その間、2時間近く経過。それだけ待てば寒くなくても、具合は悪くなる。
とびきり感謝されつつお見送り。完了の報告をすると、お得意様からも「さすがです!」とお誉めを頂いた。
実はY隊員、お得意様から直にお誉めを頂くのははじめて。意外と人通りの多い夜の商店街で、一人でニヤけてしまった。
端から見ると不気味だったかもしれない・・・
首都高6号線下りでガス欠との知らせ。急ぎGSでガソリン購入して、箱崎インターからテイクオフ。
眼光一線、ターゲットの補足に集中しながら6号線を飛び続ける。ロックオンした瞬間パッシング点灯、一気に路側帯へ急降下した。
ずっと携帯で話し中のお客さん。ジェスチャーでやりとりした後、空中給油を始める。聞くつもりはないけれど、話しの内容が耳に入ってきた。どうやら取引先へのお詫びのようで、謝る内容が多そうだ。
少しでも遅れてしまうと、ガラスのように割れやすいスケジュール。都内では過密スケジュールで走り回っている商用車が多いのだ。
交通の少ない頃合を見計って、ゴーサイン。被弾する事なく流れに乗るお客さん、緊急離脱も成功だ。
こうして空の男たちのミッションは終了した。。。
大田拠点が開店した。場所は大田区北馬込で、第二京浜と環七の交差点に近い。
何といっても、交通の便が良い。品川区、大田区、目黒区、世田谷区、30分あればどこへでも行ける。
A隊員は、よく突拍子もない方向性を示して、みんなを混乱させてきた。原因はA隊員の口の悪さだが、周りを怒らせるほどらしい。「人は理性より感情で動いている」ということの難しさを改めて痛感した。
1年以上前、南拠点を提案した際、ほとんどが反対であった。さまざまな課題を突破し、時にはぶつかり、みんなで開店へと導いた。
助人の良いところは、多くの摩擦が生じても形になるところ。どんなに紆余曲折しても、決まれば一致団結できるのだ。
これから、東京都の南側でのトラブルは大田拠点が軸になる。「早くて助かったよ」の一言を頂けるよう猛進するのみだ!
大手町でボルボS40がインロックしたとの知らせ。日中混雑するオフィス街も何のその、10分で現着した。
全てのボルボは研究済みのA隊員。プロジェクトの成果が問われる絶好の機会とばかりに意気込んだ。
「カギ穴からやるの?」最近ロサンゼルスでV70をインロックした事があると言うお客さん。他の業者さんの開錠には、とても興味のあるA隊員。ましてやアメリカといえばロックスミスの総本山、どれほどの技術であろうか。細かいお話しは開錠後、まずは日本の、いや東京の技術からご覧頂くことにした。
ウェーブキーをピッキング、会心の2分開錠だ。まずまずの出来に、ロスのカギ屋さんの開錠方法を聞いてみた。お客さん・・「ロスの業者さんはドアを歪ませて、強引に・・・」
おそらく国は関係なく、業者の差なんだろうと思うA隊員。車の開錠に、どれだけ力を入れているかでしかない。
どこかにいるだろう凄腕のカギ屋に出会っても、恥ずかしくないようにしておかねば。
表参道ヒルズにてビートルのスペア交換の依頼。ここにもA隊員が話していた横スライド式の駐車システムがある。シャッターがザッと開き、車が横に滑り出て来た瞬間に、F1のピットクルーの様に素早くスペア交換をする。そんな事を想像しつつ出撃した。
程なく到着し、警備員さんにロードサービスで来た旨を伝える。しっかりとした対応。さすが表参道ヒルズ。などと感心しながら該当車両まで誘導される。
が、該当車両のある場所、横スライド式の所ではなく、普通の区画スペース。時間との格闘を覚悟していただけに、ちょっと拍子抜け。
しかし、せっかくそんな気分で来たんだし・・・という事で、短時間で終わらそうと早々に作業開始。
会心の5分終了。
涼しい顔でスマートにサインを頂き、やっぱりプロは違うよね、と言われつつお見送り。
と、格好よく行きたかったが、吹き出る汗がそうはさせてくれなかった。「大丈夫ですか?」と、心配までされる始末・・・
汗をふきふき、お車をお見送り。スマートな印象は残せなかったが、懸命さは残せたと思う。ま、どちらにしても好印象という事で良しとしよう。
ベンツV280のジャンプのバッテリー上がりの救援要請。ここ最近、なぜかベンツのVシリーズをよく救援している。いつもは、滅多に対応しないのに。
程なく到着し、御依頼主と合流。”男”を思わせる様な独特の雰囲気がある。中学、高校と、慕っていた先輩がこんな雰囲気だった。
車に案内されると、車の左側が壁にみっちり。この車のバッテリー、大概は前左側のシート下に鎮座している。左ドアを開ける為、車を押して少し移動する旨を話すと、「おう、ちょっと来いや。」と電話をしだした。
「今、後輩を呼んだんで二人で押して下さい。一人じゃキツいでしょ?この大きさじゃ?」と御依頼主。するとすぐに来た後輩。二人で車を押し、そして無事、作業完了。
久々に触れた、利害の無い、先輩後輩関係。ここ10年、利害の無い上下関係も無くなった。今更、そんな関係を欲しいとは思わないが、なんだか忘れていた事を、ふと思い出させられた。
知人の紹介で、某ドイツ車を開錠して欲しいとの依頼。現着すると御依頼者は今風の若者。
「ネットオークションで爆安で買ったんですよ。」聞けば、メインキーを紛失。しかもスペアキーは無し。で試しにディーラーさんに連絡。型番が分れば鍵が作れるかもしれない。との事で、車検証を取る為に開錠して欲しいようだ。
「鍵を作るのにいくらかかるんですかね~。」と、不安気な御依頼者を横にドアを即開錠。
「すみません。車検証、ダッシュボードの中に入れてるんですが、そこも開けてもらえませんか?」
本来なら、別料金を頂くのだが、鍵作成でお金がかかる事が必至だし、知人の紹介なので、特別サービスで開錠をしてあげた。
作業後、料金を頂戴する際、見てはいけないものを見てしまった。と言うか、あまりにも堂々と財布を開くので、見させられてしまった。すんごい札束を・・・
呆気に取られていると、「おつりはいいですから。」と¥13000を頂いた。おつりは400円。
高級外車のダッシュボード開錠作業料、400円。爆安すぎ・・・頂戴すればよかったか?
中野でランサーの解錠を終えると間髪入れずに次の要請、次はフィットのパンク対応だ。幸い現場はすぐ近く、5分程で現着する。
スペアタイヤに交換後、パンクしたタイヤを調べると4ミリ位の木ネジが刺さっていた。お客さんに見せて、おそらくこれが原因ですよと説明する。と、急に不安がる女性のお客さん。どうやら「悪戯されたのでは?」と思っている様子。
接地面に刺さっているので悪戯の可能性は低い事を説明しても納得行かないお客さん。「釘ではなくてネジが自然に刺さるのか?」そこが疑問点のようだ。仕方なく悪戯犯を模して実演を開始、ネジの刺さった場所が悪戯効率的に良くない事を力説。するとようやく納得したお客さんから一言、「すごい手馴れた感じで良く解かりました♪」
・・・この疑惑はどうやって晴らしたものか?
杉並区梅里にてカローラバンの開錠依頼。この車、ピッキングするには、なにげに難しい鍵がついている。大概は差し金にて開錠する業者さんが多いらしいが、助人の売りはピッキングによる無破壊開錠。激闘の予感を抱きつつ出撃した。
現着するとこれ見よがしにシートの上に鍵。そして、ドアを見ると半ドア状態。
Y隊員の父親も同じ車を使用しているので知っているのだが、この車、半ドアでロックした場合はしっかり締めれば開錠する。
なので御依頼主に説明し、激闘せずに済んだな、などと思いつつドアを押す。が、そのまま開錠せずにドアが閉まってしまった・・・
あたふたと焦りながら速攻でピッキング開始。運良くハマらずに3分程で開錠。
結果、ピッキング自体は激闘にならなかったが、精神的には激闘となってしまった。
昨晩は中学校のクラス会。去年、中学全体の同窓会の最中、A隊員はベントレーと激闘していた。同窓会に行けなかった復活版として、クラス会に火が付いたのは幸いであった。
このクラスにリーダーはいないが、精神的支柱がいる。その名はトシと言って、男なら誰しも惚れる素質を持つ。残念ながら当日はひな祭りで欠席したので、帰りに自宅へ駆け込んだ。
中学卒業時、トシを中心に自転車で長距離ツーリングを敢行した。別れ際、今度はバイクの免許を取って、みんなで会う約束もしたりした。普通の大人なら、倍以上も歳を取れば、「青臭い約束」と鼻で笑いとばすだろう。
案内されるままトビラを開けば、まぶしいほどの光が溢れた。全て自作のガレージの中には、ゼファー1100が光り輝いているではないか。ヤスもタケも、トシにつられて大型バイク購入計画に走り出しているとの事。
何か大切なものが脈々と流れる感じがした。それは、どんなに大人を演じても隠しきれない「大切なもの」だ。
帰りの東関道をひたすら東京へ走り続ける。いつも一人だったその空間に、旧友たちの存在を強く感じた。この胸の高鳴りはしばらく収まりそうにない。
とうとう来てしまった。毎年、憂鬱になる。花粉症の季節。止まらない、くしゃみ、鼻水。流れる涙。
そんな中、杉並区下高井戸にてジャンプの救援要請。程なく到着し、早々に点検しようとボンネットを開ける・・・
ハアッ・・・ハックション!! ガツン!!
ボンネットを開けた瞬間、もよおしたくしゃみ。止められなかった。
その結果、ボンネットのヘリにおでこを強打。幸い、お車に全くキズは着かなかった。しかし、異常なまでにヅキヅキするおでこ。
我慢しながら作業を完了させ拠点に戻り鏡を見る。おでこに一筋の赤いライン。しかもキレイに真横。これではまるで貯金箱だ。
今年は医者に行こう。お客様と、自分の為に。
お茶の水でシビックハイブリッドがインロックしたとの知らせ。江東拠点から20分の距離。お客さんと連絡を取りながら合流を図った。
現着する寸前に突然携帯が鳴る「一旦キャンセルでお願いします」現場は目の前なのに、どういう事だろうか。
そのまま現着してみると、お客さんから質問される。「19時までに帝国ホテルに行きたいんですが」なるほど、後30分しかない。ホテルまで15分、一旦キャンセルしてタクシーで向かおうとしたのだろう。A隊員・・「大丈夫です。お任せ下さい」
結論から聞いてこられるお客さんに、細かな話しは失礼だ。現着してから3分。道に迷わなければ余裕の時間で見送った。
トラブルをトラブルにさせない、助人マンらしい活躍♪などと、ひそかに自賛してみたりする。
完了報告する際、お得意先からエールを送られて感激のA隊員。この調子で明日も頑張ろう。
夜も更けきった頃、某駅前にてハイエースのジャンプの要請。配送車かな?と思いつつ出動した。
現着し、お車を見ると荷台にギターが転がっている。「イヤーごめんなさい。ライブをしに来たんですが、半ドアだったみたいです。」
なるほど、トランポか。でもこの辺にはライブハウスはないはず。最近出来たんですか?と聞くと、駅前で演っているとの事。
ここの駅前、一人でギターをかき鳴らしながら歌っている人はよく見るが、バンドでやっている人は見た事が無い。めずらしいですね。などと雑談を交わしているとお巡りさんが近づいて来た。
「こらこら、ここ駐禁だし。あそこの演奏はあんたら?早くどけて!」演奏する前なのに撤収を命じられてしまった様だ。
自分事ではないのだが、残念な気分になった。しかし「いつものことですから!」と、カラッとしたお客様。
どんな演奏をするのか分からないが、なんだか応援したくなった。