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スペアタイヤが無くなる日

オデッセイのパンク救援に向かう、夕方のラッシュをかき分けながら現場へと急ぐ

現場は品川区の首都高ランプ近く、現着すると辺りにはゴムの焦げた匂いが漂っている。高速降り口すぐのところにクルマが停まっていることから、低圧走行によるバーストが原因なのは容易に想像出来た。

「バーストするほど空気が減っていたのに全く気付かなかった」しきりに不思議がるお客さん。でもそれはお客さんのせいではないと思う。しいて言うならクルマの走行性能が向上している為だろう。

空気が抜けてゴツゴツした振動を吸収するのはサスペンションの仕事、したがって乗り心地が良いクルマほど空気圧の低下は分り難くなる。また、一輪だけ空気圧が低いタイヤで走った場合、抵抗の多いそのタイヤを中心にクルマは曲がって行くはずなのだが、ある程度まではクルマが修正してくれる。もし簡単に曲って行く様では走行中にバナナの皮を踏んだだけで大惨事だ。

気落ちするお客さんを何とかなぐさめて見送る。クルマの性能向上により、気付きにくくなって行くタイヤのトラブル、そういった問題からなのか、某ドイツメーカーでは一部の車種にパンクしても走れる装備を施している。これは空気が抜けても潰れない剛性の高いタイヤを装備し、空気抜けを感知したクルマのコンピューターがサスペンションを制御するというもの。これである程度の走行は可能になるらしいのだ

パンクしても立ち往生しなくて済むことは、ゴム製の車輪を使うクルマにとって画期的なモノ。スペアタイヤという言葉すらなくなってしまうのは、そう遠くない未来かもしれない。

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