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待ちに待った八ヶ月

ホンダFTR223のジャンプ依頼。走行距離2.000Kmに満たない真新しい車輌。お客さんにバッテリー上がりの原因に心当たりが無いかと尋ねると目を輝かせ「八ヶ月乗っていませんでした!」との返答。???? …何故そんなに目を輝かせているのでしょうか… ????「仕事の都合で八ヶ月も乗れなかったんですよ。今日やっと乗れます!」とお客さん。出張なのか激務なのかは分りませんが、兎に角今日乗れることを待ちわびていた様子。ならば早く乗れるようにしてあげなければと早速ジャンプの用意。電圧を測ると10.8Vそんなに低くないブースターを接続しセルを回す「キュルキュルキュル」暫く回すも一向にかかる気配が無いタンクキャップを開けてセルを回すが変わりなしならば!プラグを点検特に汚れは酷くないが真鍮ブラシで磨く火花の確認 問題無しプラグを組み付け再度始動を試みる「キュルキュルキュル」かかる気配無しもう一度プラグを見てみると全く濡れていない。ガソリンが燃焼室に来ていない。考えてみれば八ヶ月乗っていなかったのでキャブレター内のガソリンが気化し澱を発生させているはず。キャブの分解洗浄が必要かも?と、思いを巡らせている僕の横ではお客さんがせっせとバイクを磨いている…このままバイク屋に搬送は忍びない…そう言えばこのバイクはシングルキャブで横から簡単に外せる…詰まりを取るだけの分解なら15分位で出来る……んー…と考えている間にキャブが外せた。後はこことあそこを外して洗浄。そそくさと組み付けセルを回す。「キュルキュルブーン」「あ!かかった!!」と歓喜の声を上げるお客さん。

言い知れぬ達成感とともに待機所に戻ると、入れ違いに出動するA隊員に「ん?H隊員随分ガソリン臭いね。今の仕事ガス欠?」と聞かれた。

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