
約一ヶ月ほど前、SP2で日帰りツーリングから帰って来た時、自宅近くのガソリンスタンドで給油を済ませてエンジンをかけようとしたところ、バッテリー上がりの症状が出て始動出来なかった。購入から早2年、そろそろバッテリーの寿命が来たかな?と深くは考えず押しがけをしエンジンをかけた。
自宅に戻って早速電圧を測ると11.9v、結構な電圧低下っぷりに少々驚きながらも取りあえず充電してみようという事で一晩充電。翌日充電中のバッテリーを確認すると充電器がエラーも吐かずに普通に充電していた。電圧を測ってみると全く問題ない規定値になっている。取りあえず時間経過による電圧の低下を見る事にし、充電器の接続を外しそのまま放置した。その翌日、バッテリーの電圧を測ってみると12.8vで全く問題ない。嫌~な予感がしてきたが、取りあえずバッテリーをバイクに戻してエンジンをかけ、テスターにてバッテリー端子間の電圧を測ってみると14.6v、頗る健康な値を示す。この数字だと問題なさそうなので一っ走りして様子を見る事に。小一時間程走ってからエンジンを止めずに発生電圧を測ってみると11.9v。やはり何処かがおかしい。エンジンを止めると再始動できそうにもないので、そのまま自宅に戻りまたバッテリーを充電した。
次の休日、再度満充電にしたバッテリーを取り付けてエンジン始動、発生電圧はやはり問題ない14.6v。今回は走らずアイドリングで電圧変化を観察してみる事にした。エンジン始動から数分しても全く電圧に変化はない、とても安定してる。どこがおかしいのだろう?上昇する水温を眺めながら思い耽っていると、突然電圧が12.2vまで一気に下がった。水温の上昇でラジエターのクーリングファンが回ったと同時に電圧が下がった、それは理解している。でもですね、ファンが回ったところでここまで下がると言うのは、何処かにトラブルがある証拠。この電圧では、ファンが回った状態で1時間も走ればバッテリー上がりを起こしてしまう。「こいつは厄介な事になっているのかもしれない」と落胆しながら車体左にしゃがみ込んだ時、左ラジエターの異変に気付いたのは偶然なのか必然なのか。
以前、ホンダさんではV型エンジンの車輌にサイドラジエター(左右に各1個、合計2個ラジエターがある)と言うのを採用していました。並列エンジンに比べ全長が長いV型エンジンを、極力車体前方へ搭載するための機構。VTR1000FやVFR800でも採用されていますが、ラジエターのクーリングファンは両車種とも片方どちらかのラジエターに1個しかありません。ところがSP2は両方のラジエターに各々ファンがあるのです。本来なら左右同時に回っていなければならないファンの左側が回っていない。車体前方に回り込みフロントタイヤハウスからドライバーでファンを突いてみましたが全く動く気配がない。一旦エンジンを止めファンを手で触ってみましたがガッチリと固定されている感じが伝わってきた。配線に異常がありファンが回らないなら分かりますが、そうではなく固定された様に動かないってのはどういう事??なんだか良く分かりませんが取りあえずバラしてみようと思い、猛烈な勢いでカウルを剥いで行った。
左ラジエターを剥き出しにファンが動かない原因を探る。暫くしてファンとラジエターの間に大豆程の黒い物体を発見。物凄く狭い隙間に挟まっているので、細いマイナスドライバーで慎重に突いてみる。が、全く動く気配がない。本来ならラジエターを裏返してやった方が良いのは分かっていますが、サイドラジエター故の難点が。それはラジエターが左右で連結されている為、冷却水を抜いてホース類を外さなければ全く動かす事が出来ないのです。それはとてもとても大変な作業に発展してしまう。どうしたものかと悩みながらドライバーで黒い物体を突いていると、ある拍子にコロンと取れて下に落ちた。なんだか知らないけど取れた!と大喜び。そしてファンを触ってみると問題なく動くようになっていた。逸る気持ちを抑えエンジン始動、ファンが回るまで暫し待つ、その間の電圧は14.6v。数分後にデュアルファンが同時に回り、テスターが示した電圧は13.9vだった。
片方のファンが回らない事により、その回らないファンを回そうと必要以上の電気が流れたのか? それとも本来2個のファンで冷却しているのを1個で頑張っていたからなのか?詳しくは分かりませんが取りあえず直ったようです。で、ファンを回らなくしていたものは右の写真の物体。なんだか良く分からないかもしれませんが、それはアスファルトの塊でした。どこかで拾ったのがラジエターの熱で溶け貼り付いてしまっていたのでしょう。
それにしても、こんな小さなモノがクーリングファンを止めた事でバッテリー上がりを起こすとは。思いも寄らぬ原因でとても勉強になった気がします。
