
フォード社マスタングを目の前に大苦戦するお話し
今回とても印象的な作業だったので、許可を頂き鍵穴を撮影させていただいた。右の鍵穴を見ても分かるとおり、通常縦一線のみの鍵穴が複雑な形になっている。ピッキングで開錠する時に使用する工具は、どこの業者さんでも、ほぼ統一されているが、その工具では開けられない。また調べ尽くした結果、マスタング用の開錠工具はどこにもない。お客さん「鍵屋さんでも、断わられたことがあるけど」と言うのは、それらの理由からだろう。
助人では、すでに手を打っている。対抗策として工具担当のI隊員が、専用工具を開発していた。1作目は失敗に終わり、2作目は限りある隊員しか使えない、大変技術を要するものであった。
A隊員、世田谷から東麻布へ急行、現地まで28分。今回の手配は早さより、確実性をとった采配だ。早速開始するも練習とは違って、実践では大苦戦に陥る。劣勢のまま作業時間は40分を超えようとしていた。救援要請の入っているはずのI隊員の到着が、なぜか遅れている。
自分の未熟さに歯がゆさを感じていた時、I隊員が合流してきた。何やら見慣れないものを持っているI隊員「まだ完成はしていないんですが、3作目への試作品です」なんと、遅れてきた理由は、中野のガレージまで試作品を取りに行っていたという。
これ以上時間がかけられず、I隊員の新作に賭けてみた。すると10分後に、見事開錠。マスタング2.5作品の圧倒的な破壊力(無破壊開錠です)を見て、感動すらおぼえた。I隊員は、まだ開発の余地ありというが、今回の作業で十分にデータは集まった。
しかしながら、到着まで28分、作業時間1時間3分という出来はけっしてほめられた成果ではない。今回、自宅で待ってたお客さんは満足していたが、もし外でお待たせしていたら・・・
このマスタング攻略は、多くの反省点を残しつつ、”他店で断わられた開錠”・・・この響きこそが、大きな成果につながる第一歩と確信する。
