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鍵穴から出てくるものは…

ホンダステップワゴンの開錠依頼。現場は新築の一軒家で、家の鍵も閉じ込んだお客さんが立ち尽くしていた。お客さんは若奥さん、家にも入れない状態でかな~り慌てた様子。僕が到着すると涙目で喜んでいた。聞くところによると最近引っ越してきたばかりで近くに知人もいなくて心細かったとのこと。一頻り話を聞いて落ち着いてもらってから作業に入る。工具をセットして鍵穴を覗くと何やら変。ディスクが見えない。「??」ピックを差し込んで中を触ると柔らかい物が大量に詰まっている。少しずつピックでほじって取り出してみると、それは針葉樹の葉っぱ。たまたま入ったにしては量があまりにも多すぎ。悪戯の可能性があった。そのことをお客さんに伝えると、以前住んでいたところがあまり治安の良いとこではなかったらしい。物が物だけに子供の可能性も考えられる。何にせよ詰まっている物が葉っぱで良かった、簡単に取れるから。葉っぱを取り出しサクサクっと開錠、そして鍵穴を洗浄。グリスアップもして動作確認後終了。

帰り道、ふと思い出しのが今年の桜の季節。某公園脇に路駐されている車の鍵穴に、花のついた桜の小枝を差し込んでいる子供がいた。子供の来た道を振り返ると、並んでいる車10台程には既に桜の小枝が刺さっていた。「悪戯しちゃ駄目だよ」と声をかけると「キレイでしょ」と無邪気に返された。

無邪気(1)あどけなくて、すなおな・こと(さま)「―に笑う」「―な子供」(2)悪気やねじけた気持ちのない・こと(さま)「―な言動」(3)深い考えのない・こと(さま)「身に落ちかかる災を知らぬとすれば―の極(きわみ)である/草枕(漱石)」

果たして、鍵穴に桜の小枝が刺さっている状況を目の当たりにした車のオーナーは、何人が怒りそして何人が微笑むのでしょうか?

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