夕方前、現行モデルのBMW525iの開錠依頼が入る。詳細を読み込むF隊長の口調に少し違和感を感じながらもメモを取る。作業内容・車種・ナンバー・お名前・携帯番号ときて、いざ住所になると「少し遠いのですが…」と前置きがあった。隊長がこう言う時はちょっと遠い所の筈。先日あった清瀬の時と同じ口調だ。
「で、住所がですね 静岡県…」
「静岡県(メモメモ)… え"!」
「伊東市…」
「イトーッシ!!ってあの熱海の下にある伊東ですかーっ!?」
「そうです」
どうやら本当らしい。詳しい住所を聞くと伊豆シャボテン公園近くのホテル。その近辺には2~3度行った事があるので、道は何となく記憶している。
記憶の糸を手繰りながら高速の入り口に向かった。
随分昔に伊豆シャボテン公園に行った時、駐車場をひょうひょうと歩く孔雀(オス)にビックリした事を思い出しながら東名をひたすら…小田原厚木をひたすら…週末の温泉客と一緒にひたすら…距離にして150kmをひたすら…
最近、仕事用バイクをカウル付き1000ccのバイクに変えていたのが、現着した時には身体は芯から冷えきっていた。
カタカタ震えるのを抑えてお客さんと合流。速やかに作業に入る。が!作業を始めて1分ほどで猛烈な尿意に襲われてしまう。モジモジ…集中できない…BMWの内溝は得意だが…しゅ、集中が…と、モジモジしているうちに我慢の限界に達してしまい、お断りをして仕方なくトイレへ駆け込む。「はぁ~…ゥ…」
集中を阻害するものが無くなればこっちのもの、作業再開後2分ほどで開錠。
開いたと同時にF隊長に連絡し「む、難しいカギです、あ、開けられません、くじけてもいいですか?」と、のたまわってみたが「ハハハッ、開きましたか 了解。 十分に暖まってから戻って下さい」と1秒もかからずに見破られてしまった。
続く…
