武蔵野市にてBMWのインロック場所の詳細を聞くと、今は廃院となった総合病院の駐車場。大通りに面していながらにして、その佇まいは廃墟のそれを感じる。地下の駐車場に降りていくと間引きされたような配列の蛍光灯がまばらに光っている。が、それも奥に進むに従って暗闇に近づいていくように心もとない明かりだ。車はZ-4 BMWのオープンカーである。
御客様とはすぐに合流、廃院の駐車場に止めてあるのだから関係者か?いや、BMWに乗っているくらいだから医者なのだろう。早速開錠に入る。手元は真っ暗に近い。鍵穴さえ明かり無しでは見えないが数メートル離れた場所で開錠を待ちわびている様子に手を急がせる。
だが 何とはなしに頭の上に違和感を感じる。もの凄くかすかに頭を触れられているような気がする。隊長の頭は6mmの坊主なので触感には敏感だ。嫌な感じはするも御客様はすぐそこにいるし恐怖感は無い。でも開錠の最中ずっと気になっていた。蚊や虫の類ではない。羽音が一切しないから。
無事、開錠してサインを頂くと御客様は「ありがとう」の声を残し、早々に車で帰っていった。残された隊長は後始末もそこそこに後に続く。外に出て頭を何かから振り払うように撫で回し完了の電話を入れる。帰ろうとバイクに跨った時、駐車場にボールペンを落としてきた事に気付いたが取りには戻らなかった。
