
夜も更けた頃、高田馬場の明治通りで年式不明のランドローバーインロック。現着してみると随分と昔のランドローバーが止まっていた。
該当車輌を確認したところでお客さんの携帯に連絡する。が、いくら呼び出しても出てくれない。場所が場所だけに遠くに行くことはないと思うのだけれど、コールする電話に出る気配は無い。
暫くすると遠くの方で道路工事の方がパイロンを立て始めた。そしてだんだん近づいてくる。どう考えても工事の邪魔になる。見ているこちらも焦ってくる。携帯を連続して呼び出すがやはり出てはくれない。
そうしている内にとうとう車をパイロンで囲まれてしまう。と、ここで後ろから「鍵屋さん?」と声をかけられた。振り返って訊ねるとお客さんだった。「工事の邪魔になるので直ぐ開けます」とご本人確認をしながら伝えると意外な返答が帰って来た。
話によると走っている最中に何等かのトラブルでエンジン停止再始動を試みるもエンジン始動に至らずボンネットを開けて見ようと外に出た所でインロック馴染みの車屋さんに連絡すると直ぐ引き取りに行くけどドアは開けとく様にとの指示色々と思い巡らした結果アシスタントさんに連絡で、現状の説明をする為に工事関係者と交番に行っていたらしい。
事情説明を聞き終わった所で車屋さんが到着。僕は直ぐにドアを開けた。工事の方がパイロンをどかし、車屋さんが積み込みの準備に入った。
それを見て一安心したお客さんは手に持っていたレジ袋の中から皆にコーヒーを配った。
