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子供二人が車内に

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「子供が二人閉じ込められています」、身が引き締まるのを感じながらランドローバー・ディスカバリー2の一報を受けた。現場まで凡そ13km、予測到着時間は30分強。高速を使った場合4km程距離が増えるが10分以上短縮が可能。高速使用に迷いはなかった。この気温で車内に閉じ込められているのは非常に危険。現場のお客さんと閉じ込められている子供の事を思うと、地面に引かれた道を走るのがもどかしく、空を飛んで行きたいと本気で考えた。鼓動が激しくなるのを感じ「落ち着け」と呪文のようにつぶやきながらブーツに足を通す。ヘルメットをかぶり、グローブを着け、バイクにまたがったところで携帯に着信。液晶画面には本部の電話番号が表示されている。何かあったのだろうか?と電話に出ると「ディスカバリー2はエンジンがかかった状態でエアコンが効いているそうです」との事。ホっと胸をなで下ろすと同時に、大汗をかいて苦しむ子供のイメージが消えた。ですが、閉じ込められている現実と、車の前で待つお客さんの苦痛は取り除かれていない。再度、頭の中が熱くなるのを感じながらバイクのエンジンをかけた。

現場付近一帯は、急に落ち窪むようなすり鉢状になっている。地形的に高低差がある為、歩行者専用の階段が多く、そして一方通行で縛られまくった道は、一度間違えると激しい迷走を引き起こす可能性がある。ナビは車で通る最良の道を指示するが、それはあまりにも遠回り過ぎたので事前に調べて組み上げたルートへバイクを向けた。ナビはGPSで現在地を把握しながらルートの自動再検索を始める。そして何度目かの再検索で僕の選んだルートを表示。これでもう間違える危険もなく、そして最短で到着出来る筈。

平地の駐車場に停めてあるディスカバリー2は、冷却と電力供給の必要に迫られアイドリングは高く、ラジエターファンは全力で回っている。そして焼けたエンジンを包むボンネットからは歪みが強い陽炎を昇らせていた。炎天下で待たれたお客さんは精神的にも肉体的にもかなり疲れている筈。エンジンから遠い車体後方の日陰でお待ちいただくようお願いする。車内を覗くと子供が二人気持ちよさそうに眠っていた。「エンジンがかけてあってクーラーが効いていたのが救いです」と大粒の汗を流しながら言われるお客さんの顔には濃い疲労の色があった。熱射病になってしまわないか心配だったので水分を取り、座ってお待ち頂くよう今一度お願いした。

一癖も二癖もあるディスカバリー2の錠は、一見優しそうな出で立ちで迎え入れ、そして僕ら解錠屋を深みに引きこもうとする。ですが既に横浜のG隊員とF隊長が完全に攻略しているいるので全くもって無問題。誘いは受け流し速やかに解錠を完了させた。ドアを開けると心地の良い冷気が流れ出す。それと同時に熱気が車内に入ったせいか子供の一人が薄らと目を開ける。そして大きな欠伸をした後、お客さんの顔を見て無邪気に笑った。そのパっと咲いたような笑顔を見て、「僕が悪いんだけど、君は呑気んだな~コノヤロw」と大粒の汗を流しながらお客さんは笑った。

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