
某車検場でホンダ・アコードの解錠依頼。夕方とあって検査レーンは終了し、辺りは穏やかな時間が流れていた。
お客さんは名義変更に来てインロックしてしまったとの事。エンジンがかかったままのアコードのステレオからはルーツ・レゲェが流れている。乾燥した空気は秋の匂いを強めているが、長調のレゲェは違和感を与える事無く辺りに和やかな空気を提供していた。静まり返った駐車場に小さく流れるレゲェ、時折風になびく葉擦れの音、そして鳥の声を聞いているといつしか都心にいる事すら忘れさせてくれる。
アコードの錠を解きながら色んなイメージが浮かんでは消えて行くのを感じた。色が付いていないイメージが次第に色付き輪郭を露わにして行く。それはとても心地の良い状態らしく、脳の奥がじーんと温まっていくような錯覚を覚えた。
解錠を終えお客さんを見送った後、暫しレゲェの余韻に浸る。そしてなぜこんなにも心地良いのか?と理由を考えた。それは安定したリズムの中で効果的に使われる二拍三連が、一瞬の不規則感を作り、それが何とも言えない味となり、そして心地良さを醸しているのではないかと、そう稚拙ながらに思った。それと60BMP位で裏打ちされるレゲェのリズムが、人の拍動に似ているってのもあるのではないかぁと。
不規則感が良い味を出すと言えば、以前見たハーレーさんのコマーシャルに、思わずニヤリと言うか微笑ましいCM(音は大きめで聞いてみてください)があった。ハーレー独特のエンジン音、俗に”三拍子”と言われるのを素晴らしく効果的に使った逸品。「赤ちゃんはお母さんの拍動を聞いて安心する」と言われているので、ハーレーのエンジン音がとても人間っぽいと言うところと、お母さんの拍動と上手く掛け合わせたんじゃぁないのかなぁ?と僕は独自解釈しております。
