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大粒の汗

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外車ディーラーさんから新車の解錠依頼。現着後連絡をすると、むせ返るような気温も厭わず中からディーラーさんの若い女性が全力で走ってきた。息を切らせながら「スミマセン!!どのくらいで開きますか?!」と言われた顔からはみるみるうちに大粒の汗が吹き出してくる。かなり切迫している状況なのか?その圧力に圧倒されながら「え?はい、5分位… いえ2~3分で開けられると思います」とお伝えすると「ありがとうございます!!」と僕の両手を掴んだ。とにかく急がなくてはならない状況らしい事が分かったので直ぐに工具を取り出しドアの前にしゃがむと、ディーラーさんの女性も僕の横で膝を抱えしゃがみ込み、その回した両腕に顔を埋めるよう小さくなってしまった。そして顔を上げると今現在の状況を話して下さった。

「この新車は今日納車でお客さんに車輌の説明をしていたんです。その中でこうしてこうするとインロックしますのでご注意下さいと説明している時、私の説明通りお客さんがやってみたらインロックしたんです。そうしたら無いんです他の鍵が。私全部お客さんに渡していて全て車内にあったんですよ…。ドアを開けられない状況を怒る事無く気にしなくていいですよ~っとお客さんは笑ってくれていたのですが申し訳ないやら恥ずかしいやらで… 」とまた膝を抱えた両腕に顔を埋めた。状況が状況なので瞬きもせず猛烈な勢いで解錠。ディーラーさんの女性はまた全力疾走でお客さんを呼びに行かれた。

離れた場所に停めたバイクのところで工具を閉まっていると、新車の前にいる笑顔のオーナーさんとディーラーさんの姿が見えた。「あははっ、そんなに気にしないで下さいよぉ。それより凄い汗をかいたのでお化粧落ちちゃいましたね。あ!でもスッピンもいいですなぁ、いつもと違ってカワイイ感じになりますね。うんうん。 じゃぁ後はゆっくりと涼んで下さい。それじゃぁ!」とオーナーさんは言われ、ゆっくりと新車を発進させた。

なんと言う大人の余裕でしょうか? あぁ…僕もそんな余裕のある大人になりたい。

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