
夕方、栃木県よりメルセデスのトランクインロックの問い合わせ。鍵穴は下向きらしく現地の業者さんでは厳しいとの事。恐らく依頼があるだろうという事で、準備をしながら連絡を待った。それから暫くして本依頼があり現場が判明。場所は栃木と言っても那須岳の麓だった。栃木の一番北側で直ぐそこは福島県白河市。標高も高そうなので着込めるだけ着込んでから出発した。
高速を北上するにつれ少しずつ気温が下がっていく。それでも宇都宮までは僅かな変化でしたが、そこから先は山が近くなった為ガクンと下がり始めた。陽はとっくに暮れてしまっているので、それによる気温変化と合わせて体温はどんどんと奪われていった。
身体が冷えきったところで那須インターに到着。ゲートを潜り一般道に降りるとアベレージスピードが落ちたせいか途端にシールドが曇ってしまった。前が見えないのでシールドを上げると、冷やされた山の空気が顔と目にまとわりついてきて、涙と鼻水を誘った。
現場のお客さんは、前の業者さんがドアを開けてくれたらしく車内でお待ちになっていた。と言ってもこの時期の山の中で暖房が入らない冷え切った車内を、ご夫婦二人の体温で温めるのには限界がある。お二方とも車内で震えいた。メルセデスの車体の後ろ直ぐは、冬がれた木々と落ち葉が積もる山が迫っていた。枯葉の暖かな匂いとは裏腹な宵の気温。時間の経過と共に更に冷えて行くのは容易に想像がつく。あまり時間をかけてはいられないので、速やかに下向きのシリンダーを解錠しトランクオープナーを握った。トランクが持ち上がると同時に鳴り響く警報。静まり返った山に響き渡り、眠っていた鳥達を起こしたらしく少しざわついていた。
少し温まってから帰ると言われるお客さんより一足お先に現場を後に。夕飯をどうしようかな?ここらで食べて帰ろうかな?と考えながら走っていましたが、どんどん冷えていくのが怖くなったのでそそくさと高速に避難。そろそろ凍結に注意しなくてならないなぁと肌で感じた那須の夜でした。
