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役割分担

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ジャガー・S-TYPEの解錠依頼。指定された住所に到着すると、そこは車輌用エレベーターが備わった駐車場。都心の一等地の裏にこんな巨大な駐車場がある事に正直驚いた。ご依頼の連絡を頂いたお客さんはその駐車場の管理人さん。「なんか勝手にロックしちゃったって朝から大騒ぎなんだよねぇ」と車に向かう階段の途中で言われた。その話しの感じからすると管理人さんが閉じ込んだのでは無い印象。もしかしてお客様が閉じ込められたのではないのですか?とお聞きしてみると、「車の持ち主から預かって、ここに停めた人間がやったみたいなのさ」との事。話しの感じからするとお得意さんが閉じ込んだようでした。

階段を登る事暫し、該当車輌のある階へ到着。扉を開けると目の前にS-TYPEが停まっていた。そしてその傍らには高級なスーツをビシっと着込んだ方が数人。僕の方を見ると「あ!来た来た!!この車なので早く開けて!!」「ところでどうやって開けるの?」「開ける時に傷は付かないよね?」と一斉に質問された。その勢いに圧倒されていると「取りあえず早く作業に入って!!」「早く開けて欲しいんですよ!!」と矢継ぎ早に続けられた。工具を取り出し鍵穴から解錠を行う旨をお伝えする。「そこから開けるなら車に傷つかないよね?」とお客さん。全く問題御座いませんとお伝えすると皆さんで顔を見合わせてホっと溜息をつかれた。

作業をしながら話しをお聞きすると、どうやら持ち主の方に車を返却する為に駐車場から出そうとした時のインロックらしいです。で、近くで持ち主の方をお待たせしているので早く届けなければならない、と言う事で皆さん焦っているようでした。

ここ一番の集中力を発揮して数分でアブロイキーを解錠。ガチャリとロックが解除される音が鳴ると無言で皆さん一斉に動き出した。車輌用エレベーターのボタンを押す方、携帯でどこかに連絡を始めた方、車内に入り鍵を取り出す方。完全に役割が決められていて、質問や確認することなく各々の役割をキビキビと熟す。その全く隙のない姿は超恰好良く、暫し見惚れてしまったのでした。

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