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まさかの見落とし

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数か月前にご依頼を頂いたハーレーのお客さんから再度ご依頼を頂いた。

前回お伺いした際には車輌の使用状況を詳しくお聞きしていた。車輌は2010年モデルのインジェクション、それをキャブレターにコンバートしているとの事。全く違和感もなくキャブレターとエアクリーナーが装着されているのは、45°Vツインと言う独特の狭角なエンジンレイアウトによるモノが大きいのでしょうか?使用状況は暫く乗る機会がなかったとの事で必然的にバッテリーが弱っていた。その事に加え”三拍子”に拘りアイドリングを低くし過ぎていた為それが災いしたのか?始動に失敗しセルの回し過ぎでバッテリーを上げてしまったようです。取りあえずブースターを接続し始動を試みる事暫し、何とかエンジンをかける事に成功しました。その後、暖機をしながらお客さんにキャブコンバートの詳しい内容を教えて貰いじっくりと観察させて頂いたのでした。

そして2度目のご依頼。前回からの使用状況をお聞きすると、毎週末乗られていたようでバッテリーの充電状況も問題なかった。最初はセルも元気よく回り、バスン!!とかかりそうな雰囲気があったが、結局かからずバッテリーが上がってしまったとの事。「前に言われたのでアイドリングも極端に下げずに普通にしてました。先週乗った時は一瞬でかかったんですけど今日は何か変です?」とお客さんも不思議そう。先週乗った時からアイドリングの回転も変えず、チョーク全開&アクセル全閉でセルを回したとお客さんは言われるので、一発目の始動に失敗してカブった理由が思いつかなかった。タンクキャップを開けてガソリンを確認→満タンOK ブースターを繋ぐ→電気OK セルを回すとマフラーから硬い空気の塊が飛び出してくる→多分圧縮OK でもエンジンがかからない。暫く奮闘しましたがかかる気配を感じない。これはカブりが酷く全く火花が飛ばない状態か?とプラグに顔を近付けた時、その付近に前回の記憶と少し違う何かを感じた。あれ?何が違うんだろう??と記憶を辿りながらあちこち見回すと、ガソリンコックが違和感の元と分かった。その美しく輝くピンゲル社製ガソリンコックのレバーが向いている方向が以前と違ったのです。確認の為、お客さんにこれはonの位置ですか?とお聞きすると、お客さんはハっ!!!!となってその場に膝から崩れ落ち「す…すみません . . . コックが . . offでした . . .」と項垂れてしまった。offと思われる位置から反対側にレバーを動かしセルボタンを押すと… ドドン!!とかかりそうな排気音。続けてセルを回すとエンジンが始動し勢いよく回転が上がったのでした。

「僕の唯一の趣味はバイクなんです。でもこれじゃバイク降りた方がいいですね??」「さっきまで嫁がいたんですが後で何と言えばいいのだろう?僕はこれからどうしたらいいのでしょうか??」と激しい動揺のお客さん。取りあえず僕の恥ずかしい失敗を時間をかけて幾つかお話しすると少し落ち着いて貰えたようです。

随分前からキャブでも多くの車種が燃料メーターまたは警告灯を採用し、すっかり見かけなくなってしまったガソリンコック。インジェクションからキャブにコンバートしてガソリンコック自体に慣れてなかったお客さんには仕方のない事だと思われます。それに誰にでもありますそういうミスは、僕なんかそれこそもっと恥ずかしいあんなことやこんなことも… おおぉぉっっとこれ以上は秘密です。

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