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猫レスキュー・其の二

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其の一のつづき

お客さんが指摘する場所を軽く叩いてみたが猫の反応はない。もう逃げてしまった可能性はありませんか?と聞いてみると「車を走らせると多分鳴きます」という事なので車で一回りして頂くと 「ニャー … 」 確かに鳴きました。そのおかげで猫のいる場所が右フロントタイヤハウス上付近と判明。バンパー前面の吸気口からライトで照らしながら探してみると、隅っこにカビの生えた大きな大福が挟まってるのを発見。なんであんなところにカビた大福が詰まってるんだ?と思った瞬間、隙間へ頭から突っ込んで戻れなくなった白猫のお尻だと気付いた。もうそこからは早かったです。タイヤハウスのネジを外して隙間を作り、そこから二の腕まで突っ込んで猫の尻を鷲掴み、ビクッとしようがお構いなし。あとは怪我をさせないようにゆっくりと引っ張ってみる。ところが何故だか全然出てくる気配がない。少しずつ引っ張る力を強めてみるんですが何かおかしな感じがする。踏ん張って出てこないのとは感触が違う気がする。一旦尻から手を放して触れる範囲で猫の身体を触ってみると、どうも両方の後ろ脚が何かに引っかかってる感じがした。取りあえず右後ろ脚を摘み出すと身体が少し出てきた。続いて左後ろ脚を引っかかりから外すと、デロ~ンと体が伸びてやっとこ狭い隙間から後ろ脚が見えた。そこからゆっくり時間をかけて猫を引き出していくと、濡れ雑巾のようにダランと伸びきった白ブチの成猫が出てきたのでした。

目の焦点は合わず、だらしなく舌を出し、肩で息をしてる様を見ると本当に死ぬ寸前なんじゃないかと思った。そりゃ猛烈に熱いエンジン横に2時間以上もいたとなれば、かなり消耗してるであろう事が想像に難しくない。何はともあれ結構ヤヴァそうだったので日陰に連れて行くかと歩き始めた途端、死にそうに伸びきっていた筈の猫が突如覚醒、鎌首をもたげた。おっ!正気になったか?と顔を覗き込むんだ僕と目が合うと、シャー!っと牙を剥き躊躇なく左手をガブガブと噛んだ。あイタタタと思わず猫を掴む手を緩めるとダランペチっと猫落下。もたもたと立ち上がるとこんがらがって足がもつれながらも一目散に逃げていく。何故だか途中で踵を返し、忘れ物でも取りに来たかの様に全力で引き返してきたが、僕と目が合った途端「ハっ!」となってまた反対方向へドタバタと走って行った。

大喜びで感謝するお客さんを見送った後、咬まれた左手を見てみると、中指に四ヶ所穴が開いて血が出ていた。仕方ないなぁと思う反面、助けてやったんだから噛むなよと思う気持ちも無きにしも非ず。猫に文句言っても仕方ないんですけどね。でもまぁ引っ張り出せて良かったと言うのが本音です。あのままだったら明日以降にエンジンルームから変な匂いがしてきたのは間違いありませんので。

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