
深夜、茨城県某所からシトロエン・DS3の解錠依頼。車のキーを紛失してしまったが自宅には予備キーがあり、その自宅の鍵が車内にあるのでドア開けて欲しいとの依頼。日付が変わる頃には随分と気温が下がっていたので厚手のグローブを付けて現場へ向かった。
DS3が停めてある場所はショッピングセンターの駐車場。そこは飲食店も多く、深夜にも関わらず駐車場の殆どは車で塞がっていた。
入口から直ぐの所で該当車輌を発見、幸いな事にその隣が空いていたのでバイクを滑り込ませる。するとDS3の車体後方でTシャツの袖を抜いて丸まって眠る人がいるではありませんか。状況的にお客さんに間違いありません。この寒空の下、Tシャツに短パンの軽装で長らく辛かった事と思います。
お客さんが覚醒したところで早速解錠と行きたいのですが、ドアを開けると間違いなく警報が発報するので準備(段取り)が必要です。今回は車のキー紛失なので警報を簡単に止める事が出来ません、なのでより入念な打ち合わせが必要で、車内にある自宅キーを取り出した後、如何に早く警報を自然停止させるか、これが結構キモなんです。
お客さんとゴニョゴニョ打ち合わせをして「さて行きますか!」となったところで辺りを見回すと、なぜか駐車場に20人位の人達が何をするでもなく佇んでいます。さっきまではいなかったのに急に何事だろう?とても妙な雰囲気です。お客さんに「あの人達はなんでしょう?」とコッソリ聞いてみたけどお客さんも分からず気味悪がっています。その佇む人々は数人ずついくつかのグループに分かれてますが、なぜそこにいるのか全く理解出来ません。車に乗って帰るでもなくただただそこに佇み全員がこちらを注視してるのです。
いつまでも気味悪がっても仕方がないので取りあえずサックリと解錠し、「ちょっと大きな音がしまーす、スミマセーン」と誰ともなしに声をかけてからドアを開けた。案の定、けたたましく怒号ホーンを鳴らすDS3。でも家鍵を取り出してドアを閉めると直ぐに鳴り止みました。
「いや~警報直ぐに止まって良かったねー」と喜ぶお客さんの横で施錠ピッキングをしていると、駐車場に次々と軽自動車5~6台がやってきました。その軽自動車には男性二人が乗っていて一人が佇む人達各グループに声をかけます。すると声をかけられた人達は声をかけた人と共に各々の車に乗り込み、先程来た軽自動車を伴って次々と駐車場を出て行きました。これを見てなぜそこに佇んでいたのかやっとこ理解。皆さん同じ飲食店の閉店と共に外に出てきて運転代行車待ちの手持無沙汰だったみたいですね。
分かってしまえばどうって事ないのですが、分からない時は実は結構怖かったです「佇む人々」。
