
写真を整理していて懐かしいのを見付けたので、今回はそのインロックの事を少々。
まずは写真の車ですが、シボレー・コルベット・C6後期型です。場所はマンション一階駐車場で、車の直ぐ前、右側には太い柱があります。オーナーさんは盗難防止の意味で、必ず柱に向かってハンドルを切って駐車していたそうです。
もともと車高の低いコルベットC6。その低い車体の低い位置に付いているナンバープレート。そのナンバー直ぐ上に、唯一の鍵穴は下向で取り付けてあります。
そんな鍵穴の取り付け状況でも、C6を覗きピッキングで開ける事は可能。でも困った事に今回は後ろの壁まで距離が全くない為、作業スペースがありません。人が通り抜け出来ない程ピタ付けされているので、流石に覗き解錠は不可能だと思いました。
オーナーさんへは「頑張ってみますが状況的に解錠は難しいかもしれない」と伝えたところ、既にレッカー業者さんにはC6を引っ張り出してディーラーさんへ運ぶのを断られており、助人が頼みの綱だと言うではありませんか。そうなると俄然、何とかせねばと思うのが人の常ですよね。
やる気だけは満々になりましたが、やはり作業は困難を極めます。車体下方から横向きバンザイ状態で身体を滑り込ませるが、顔の向きを変えられないほど狭いし胸が支えて苦しい。呼吸が浅くなるので連続作業には限界がありました。体勢が厳しいだけならいくらでも我慢しますが、身体の自由が効かない事に苛立ちが募ります。時間だけが無駄に過ぎ、万策尽き果てた状態へ。「為す術なしか…」と思いながらも諦めきれず、もがき苦しむ中でふと手にしたA隊員の試作工具が猛烈に冴えわたります。これが今まで届き難かった痒いところをバリボリ掻き毟るので、あっという間に最後の一枚。それまでの苦しさとか全てを忘れ、「もう開きます!」と鍵穴を回した瞬間、得も言われぬ快感に満たされたのは言うまでもありません。
この試練と言えなくもない一件が、工具開発への拍車となり、解錠スキル向上への一端を担いました。人は本当に苦しんだ時こそ、次の高みへ至る一条の光を見付けるのかもしれません。
