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伝説の車

助人の事務所には無数の鍵がある。 全て車の鍵。新しい鍵の種類や入手できる変わった鍵は、欠かさず揃える様にしている。その鍵を開けたり、バラして中を研究してみたりとひとしきり忙しい。新品で入手した鍵も3日ほどで無残な姿へと変貌してしまう。 ボロボロだ。そしてその鍵への評価が定まってくる時、聞こえてくるのが「難しい鍵」と「フツー」または「良い鍵」と「フツー」である。解説すると「難しい鍵」という評価は、その鍵の持つ構造が「難しい」という事で、セキュリティとしては「高い」評価という事。「フツー」は、「そうではない」という事。それとは別に「良い鍵」というのは、「勉強になる」という意味。「フツー」は勿論そうではないの意。何がどうかといえば、「単純な構造」の鍵でも配列によってはたいそう難しい鍵になる事がある という事を指す。すんなり開錠できるドイツの高級車もあれば、冷や汗が止まらない国産ファミリーカーもある。これが非常に面白い。 ま 後になってみればの話しですが・・

概ね、国産車の鍵は「フツー」である場合が多いのだが、それも基本的には「新車」の場合。年季の入った車は、それだけ鍵を抜き差ししている回数が多く、中には鍵ごとガタガタの車も少なくない。そうなると話しは別、中は磨り減り取り付けも甘く、本来開くはずの位置では反応が無い。ここからは創意工夫が必要、ああやって見たりこうやって見たりの知恵の輪状態。そんな思いをする車ほど、記憶に残る。何ヶ月も前の「あの新橋のときの○○程ではない」みたいな比較のスタンダードにまで引き上げられる場合もある。過去に助人の開錠を受けた御客様も、いまだに自分の車が我々の中で話題になるなど夢にも思ってはいないでしょう。

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