
--その2の続き--
現着後、お客さんと合流し早速作業に入る。
ジャガーはロータリー式のカギを採用している。このタイプは通常のピッキングでは開錠出来ないので専用ツールでのハンドピックになる。キーレスエントリーでしか使われたことの無いカギはグリスが満載で反応が鈍い。
指先に伝わる感触を頼りに、一枚一枚ディスクを読む。
ん~・・・ 過去最高難度のディスク配列だ。
20分後、殆のディスクを揃え あと一枚で開錠にまで迫る。だが、最後の一枚を揃えようとすると誤って他のディスクに触れてしまいシリンダーが回らない。これは、覗きではないハンドピックの難しさでもありロータリーディスクの繊細さでもある。
また一枚一枚確認する。数分後、ラスト一枚の手応えが指先に伝わる。
慎重にピックを移動。
最後の一枚を揃え、開錠方向に力を加える
クルっ
シリンダーが回った。
帰りに路面のいい所で
近くで待っていたお客さんはドアが開いているのを見て3秒ほど無反応だったが、突然我に返って走り寄って来た。
「お待たせし…」と、僕が言いかけたのを遮って感謝の言葉を矢継ぎ早に言われるお客さん。余りの勢いに圧倒されて言葉が出ない程でした。
全ての手続きを終えバイクにまたがり空を見上げると雨が上がっていた。このまま降らないでいて欲しいと願いながら、アスファルトの駐車場から来た道に向かいバイクを進めた。
行きはよいよい帰りは下り… 怖ヒーッ
