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半分笑顔

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もう間もなく陽が昇ろうかと言う頃クラウンの解錠依頼。

最近寒い朝が続いていましたが今朝は風が穏やかで幾分過ごしやすい。乾燥した初冬の空気は澄み空はとても高い。雲一つ無い空に浮かぶ太陽は東に向かう僕の眼を直撃ししかめっ面を誘う。ですが全身に受ける陽の暖かさは気持が良い。首筋を舐める風さえ心地よく感じる。

現場に到着するとお客さんは薄着だった。聞く所によると野球に行く為の着替えをしている最中に閉じ込んでしまったとの事。寒い中お待たせして申し訳ありませんと僕が言うと、「日向ぼっこしてましたので大丈夫ですよ~」とお客さんは笑った。

ビルの陰にあるクラウンの解錠作業に入ると日向との激しい温度差に驚く。遠赤外線で温められた身体はみるみるうちに冷え数分で震えが来た。その感覚を形容するならば「冬の朝、布団から出た直後」に似ている。周期的にブルっとしながらも速やかに内溝キーを解錠した。

その後、お客さんはトランクから鍵を取り出し上着を羽織る。そして日向に移動。硬直した筋肉がどんどん弛緩して行く。「温かいですね~」(お客さん)「そうですね~」(僕)お客さんと二人で並び、暫し太陽の恩恵を全身に浴びた。

僕は寒い時、日差しで温められると笑顔のなりかかりみたいな顔になる。他の人はどうなんだろう?と日陰から日向に出たところの通行人を観察すると、皆一応にニコリ直前な顔に変わっているような気がした。やはり僕だけでは無いのだと半分笑顔で思った。

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