
新宿区某所より05年ホンダ・レジェンドの解錠依頼。
4代目となるレジェンドには他車ではみられない独特の鍵が付いています。それはホンダさんの薄いカードキーに内蔵出来るくらい薄い鍵なんです。どのくらい薄いかと申しますと、カードキーに内蔵されているCR2012というボタン電池と変わらないくらいの厚みです。このCR2012の最初の数字20はmmの単位で直径を表していて、後の12は0.1mm単位で厚みを表しているらしく、直径20mmの厚みは1.2mmの電池という事になります。電池がそのくらいの厚みなので、恐らくレジェンド・キーはそれよりちょっと厚みがあるいくらいではないかと思われます。余談ですがCRのCは二酸化マンガンリチウム電池、Rは円形の意味だそうです。
この薄い鍵を差し込む鍵穴は見た目通り狭く、視界が良好とは言い難い。解錠自体に問題はありませんが、作業条件は良いに越したことがないのは正直なところです。そんな僕の初レジェンドは、スチームミストのような雨が振り続く夜でした。作業中顔全体に小さな水滴が付き、それが大きくなると他を巻き込んで流れて行く。顎を伝い、首を伝い、胸元に流れ込む雨水は冷えた身体を更に冷やし、スコープの先に見える空間も同様に水滴が流れていた。そして初秋の雨は容易に湯気を立たせ更に追い打ちをかけるかのように視界を遮る。思うように視界を確保出来ず悪戦苦闘の予感が駆け巡る。焦って苛立っているのかなんとももどかしい思いで覗き続けた。そして鼻水なのか雨なのか自分でも分からない液体が鼻下を流れ、それを何度目かに啜った時、ゆっくりとレジェンドの錠は回り始めたのでした。
気が付けば現行レジェンドも6年目。過去のパターンから推測すると、今年か来年にはモデルチェンジがあっても良い頃合。さて、今度はどんなロックシステムになるのでしょうか? メーカーのフラッグシップモデルは特に気になるところです。
