
マツダ・ロードスターの解錠依頼で荒川沿いを走り現場に向かった。年明け3日目の早朝は吐く息が白くなる程冷え込んだが、土手の上をジョギングをする人達はその寒さをモノともしない薄着で走り抜けている。何も考えずいつのもグローブを着けてきたが、ちょっと薄かったらしく指先がどんどん冷やされ痺れてきた。そんな冷えた朝でしたが救いはサンサンと降り注ぐ陽の光。頬にあたる光はとても暖かく、ビリっと冷えた空気と相まって非常に気持ちが良かった。
駐車場で唯一の日向にロードスターは停まっていた。日向はありがたいなぁと思いながら作業を開始すると、お客さんが「あっ!そう言えば…」と何かを言いかけた。???と振り返ると「あ!なんでもありません、すみません」とお客さん。気を取り直して作業を始めるが、中々難しい鍵で暫し一進一退を繰り返した。それから数分後、なんとか無事に解錠すると「実はそこの鍵が随分前から回らなくなっていたんですよ。なのでいつも助手席側から開け閉めしてたんですね。本当は最初に言うべきだったのかもしれませんが、開くかどうかが知りたくて黙ってました」とお客さん。ではさっき言いかけて止めたのはその事だったんですか?とお聞きすると「そうなんです、すみませーんw」と笑われた。全く問題御座いませんとお伝えし車のキーを運転席の鍵穴に差し込んでみるが、お客んさんの言われる通り回る気配がない。その他の鍵穴は全く問題ないので運転席のシリンダーだけに問題が??と思ったところで解錠中に気になった事を思い出す。それはドライタイプ(粉末)の潤滑剤が中で大量に固まっていた事。その事をお客さんにお聞きすると鍵専用潤滑剤を吹きまくった時期があったとの事。取りあえず鍵の抜き差しに問題がないので鍵穴を綺麗に洗浄。その後軽く潤滑をすると何の問題も無く普通に回るようになった。これにお客さんは大感激「おおぉぉー!!すげー!!直った」と静まり返った住宅街にその声が響き渡ったのでした。
「お年玉を頂いた気分です、ありがとうございます」と鍵が直った事を喜ぶお客さんを見送ってホッと一息何気に上を見上げると、マンションの窓から僕を見詰める爺ちゃんを発見。目が合うとゆっくりとサムアップをする小粋な爺ちゃん、恐らく一部始終を見ていたと思われます。ちょっと照れながら僕も爺ちゃんにサムアップを返した、そんな正月の朝でした。
