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待たせるのは悪いので…

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通勤ラッシュが終わった頃、H-D・XL883Lのバッテリージャンプ依頼。現場は超巨大複合マンションの駐車場。

ご依頼は20代前半の若い女性。部屋着に薄手のジャンパーを羽織っただけの姿はあまりにも寒そうです。バイクへ向かっている最中、状況によってはオートバイで走らなければならないのですがその服装で寒くありませんか?とお聞きしてみましたが「いえ?全然大丈夫ですよ」と本当に平気そう。着痩せする方で実際は結構着込んでいるのかも?と考えながらお客さんの後に従った。

バイクの状況は一か月乗車がなく電圧は4vまで低下していた。ハーレーに限らずですがインジェクション・バイクのバッテリーが激しい電圧低下を起こしている際、エンジン始動後ブースターの接続を解除すると自力アイドリングが出来ない事がままあります。今回も自力アイドリングが難しく、本体バッテリーの電圧回復まで暫し時間がかかりそう。そして使用状況とバッテリーの電圧を考えるとディーラーさんでの整備が必要かと思われた。お客さんにその旨をお伝えしディーラーさんと相談して貰うと、走行できるなら店舗まで乗って来て欲しいとディーラーさん。お客さんがやり取りをしているうちにバイクの方は自力アイドリングが出来るまで回復した。走行は問題なさそうなのでお客さん自らディーラーさんへ赴くと言う事に決定したようです。一応確認の為にディーラーさんの場所をお聞きすると、なななんと40km位離れた場所だった。お客さんはどうみても薄着に見える格好で気温5℃に満たない中を高速に乗ってそこまで走って行くと言われる。いえ!ちょっとお待ち下さいお客さん!それはあまりにも辛すぎます。ここで待っていますのでしっかりと着込んできて下さい。そう僕が言っても「大丈夫ですので気にしないでください」とヘルメットをかぶりバイクに跨った。お客さんと一緒じゃなければ駐車場から出られなくなるので、僕も急いでバイクに跨りハーレーの後に続いた。巨大なゲートを潜り、長いスロープを登り外へ出た。そして幹線道路に出る直前、しつこいかとも思ったが心配なので、こちらでお待ちしていますので一度戻ってせめてグローブだけでも取ってきて頂けませんか?と聞いてみた。すると「お時間は大丈夫なんですか?自宅に戻るのは結構時間がかかりますよ?」とお客さん。もう少し電圧回復状況を確認したいので時間は問題ありませんとお伝えすると、「では申し訳ありませんがお言葉に甘えて着替えてきます」と自宅マンションへ戻って行かれた。

巨大マンションの出入りは、高層階になればなる程時間がかかります。でもそれは仕方のない事です。数分後に戻ったお客さんはモコモコに着込んで温かそう。「これで高速も寒くないです」と笑顔を残し走り去る後ろ姿を見送って、僕もやっと一安心でした。

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