
某外車の解錠依頼で現場に到着すると、エンジンがかかりっぱなしのボンネットからは猛烈な陽炎が上がっていた。一目でドアもチンチンに熱くなっているのが想像できた。
「暑いなかスミマセンね~。猫を病院に連れて行こうと思って車に乗せたら、こいつロックボタンを押しちゃったんですよ」とお客さん。そう言われて車を見ると、フロントガラス越しにキョロキョロする猫が見えた。クーラーが効いていない車内だと猫は間違いなく死んでしまう。エンジンがかかっていたが為に猫インロックが発生してしまいましたが、エンジンがかかっていてクーラーが効いていたのは幸いかと思われます。
車から発せられる熱気で息が詰まりそうになりながらも作業準備を開始。軽く車体を触ってみると想像通り火傷しそうな勢いの熱さだった。極力車体には触れないよう慎重に工具をセットする。
ふと猫の視線を感じたような気がしたので、鍵穴を覗こうとしていた顔を上げてみる。すると丁度目の前に猫の顔があった。人懐っこい猫らしく、警戒することなく僕の方を見ている。直ぐに開けるからねーっとか声をかけ、ガラス越しの鼻先に指を持って行くと、猫はクンクンと匂いを嗅ぐような仕草をした。めんこいなぁと思っていると目の前のドアの中から「ブ、ブブー」っと何かが作動する音がしてきた。はて?この音は何だろう??と思っていると猫の鼻先に持って行っていた指に突然柔らかな毛の感触。ビックリして手を引っ込めると、ガラスが無くなった窓から猫が顔を出してニャーッと鳴いた。
僕が何をやっているのか見に来た猫が、窓を全開にするスイッチを踏んで押したようです。まぁこういうキャンセルもたまにはあるかと思いながら、全力で猫をモフった8月の昼下がりでした。
