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鍵の逆襲

鍵の逆襲に掲載されていた画像

早朝、トヨタ・カローラバンの解錠依頼で現場に向かうと、4桁ある丁目の一区画は広大で電柱の住所表記も漢字で書かれた町名だけで4桁の数字表記が無かった。頑張って探すのも一つの手段ですが、迷走の果てに自分の現在地さえ分からなくなり、無駄に現着が遅れてしまっては意味がありません。3桁住所でも4桁住所でも、ナビのマップソースに登録されていれば到着は楽々なんですが、新興住宅地は変化が早く中々そうは行きません。今回の現場は蔦の様に複雑に曲がった細い道が絡み合っていた。迷うと猛烈にやヴぁそうなのでランドマークのコンビニからお客さんへ電話をし誘導して頂いた。

「ここでーっす!」と手を振るお客さんが見え、あと10m位で到着だと思った瞬間、リアタイヤが何かに乗り上げる感じがした。なんか踏んだかな?と思う間もなく金属がアスファルトを引っ掻く様な音。続いてタイヤの回転に同調した周期的な音に変化していった。取りあえず尋常じゃない感触だったのでその場で走行停止。バイクに跨ったままタイヤを覗き込んで見ると、結構な大きさの金属がリアタイヤに刺さっていた。パンクした!と思ったがお客さんは目の前で待っている。取りあえずバイクを下りて残りの数メートルを押してお客さんの元へ向かった。

事前確認の後鍵穴を覗き始めると、お客さんはバイクの元で僕と背中合わせにしゃがみ込んだ。そして「さっき何か変な音してたでしょ??思いっきりタイヤがパンクしてるみたいなんだけど何が刺さっていると思う?」とお客さんに聞かれた。さっきちょっとだけ見たのを思い出し、結構大き目の建築資材か何かですか?と返答しながら解錠を終えドアノブを引いた。するとお客さん「鍵が刺さってますよ」と。

「そうやってパカすかパカすか鍵を開けてるから、鍵が怒って逆襲してきましたねw」 そう言い残し会社に向かったお客さんの後ろ姿を眺めながら、まだ1.200kmしか走ってないタイヤを、パンクの状況によっては交換しなければならないかも?しれない事に、僕の心と懐は激しく落胆していた。”錠前を解く”事はあっても”鍵”に触れる事は殆どないのになぁ…そう思いながら逆襲の鍵をゆっくりと引き抜いた。

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