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発覚するトラブル その2

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6/8の日記の翌日。東京から一番近い群馬県付近で、国産SUV系ワンボックスの鍵があるのにドアが開かないトラブルのご依頼。前日のX5を思い出しながら高速に乗ってピューっと現地に向かった。

お客さんのご自宅は、塀の無いかなり広い敷地の真ん中に建っていた。その後ろは青々とした森が迫っていて、鳥の鳴き声が引っ切り無しに聞こえてくる。そこは人工音が殆ど聞こえず、風と共に木々の揺らぎや葉擦れの音が耳に心地いい場所でした。ご自宅前では、2歳くらいから10歳位までの子供6人程が無言で穴を掘っていた。バイクの音で僕に気付くと一斉にこちらへやってきて「誰?」「何しに来たの?」「お母さんに用事?」「このボール、お父さんに貰ったんだよ」と皆から一斉に話しかけられる。ちょっとあたふたしながら車の修理に来たんだよと言ってみたが、その時点で僕の話しを誰も聞いておらず、「バイクで来たの?」「オジサンいくつなの?」とかさっきとは全く関係の無い質問が矢継ぎ早に来た。そうしている間に全裸で泥だらけの2歳男児が僕の足を登り始めていた。大した高さでもないが万が一落ちて怪我でもしたらと思い2歳児を抱き上げると、ジーパンには小さな紅葉の様なめんこい土手形がたくさん付いていた。子供を下におろすと今度は5歳くらいの女の子が僕の手を取り、「あっちでサッカーやろうよ」と引っ張る。するとこの辺でお客さんが異変に気付いてご自宅から外に出て来られた。「ほらーみんなーっ、お兄さんは遊びに来たんじゃないからねぇ!みんなは向こうで遊んでなさーい」とお客さんが言うと、みんな「は~い」とベランダ前に移動して行った。僕の足を登り始めた2歳児以外は。

僕の足から2歳児を引っぺがしながらお客さんは「今朝乗ろうと思ったらリモコンが利かないので、鍵で開けようと思ったら何故か開かないんですよね」と首を傾げた。そして「このドアの鍵ってなんの為に付いてるんですか?普通はドアの鍵ですよね?でもこの車の鍵は新車で買った時から何の役に立つのか分からないんですよ」と僕に鍵を手渡された。恐らくバッテリー上がりの可能性がある旨をお伝えし鍵をドアシリンダーに挿す。そして左右に回してみるも全くの無反応。勿論物理的にロックが解除される気配もなかった。

結論として室内灯の消し忘れによるバッテリーが上がりが原因でリモコンが利かなかったようですが、メカニカルキーでドアが開かないのはそれとは別の故障で間違いありません。お客さんは新車購入時から不具合に気付いていたのですが、初めてのリモコン車だったし、ドアの開け閉めは問題無かったので、不思議な鍵だなと思いながらも、きっとこういうものなのだろうと納得していたようです。「これは壊れていたのですね。新車で買った時からだったので壊れているとは想像すら出来ませんでした」とお客さん。そして「じゃぁこれからディーラーさんへ行ってバッテリーと鍵の相談してきますね」と車に乗り込んだ。てっきり車の周りにいた子供達もワラワラと乗り込むものだと思っていたら「じゃぁオバちゃんまたねっ!」と言って全裸2歳児以外はどこかへ行ってしまった。あれ?どういう事なのだろう?とお客さんに聞いてみると、フリーダムに遊びまくっていた他の子は実は近所の子供だったみたいです。「家の庭は子供の遊び場には丁度良いみたいでみんな遊びに来るんですよ。家の子も一緒に遊んでくれるので助かってますし、ここは静かなので賑やかでいいですよ」とお客さんは屈託のない笑顔を見せてくれた。

ディーラーさんへ行くのを見送った後に残されたのは、来た時と変わらぬ鳥の鳴き声と葉擦れの音。そして紅葉の様な小さな手形がジーパンに少々です。

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