
スズキ・ボルティのジャンプ依頼。お客さんと挨拶を交わしながら車輌に近付くと、プ~ンと漂ってきたのはガソリンの匂い。それは給油中に零したのが少し付いてるとか、ちょっとだけ漏れてる言うレベルでは無く、大量に漏れ出した時のような匂い。とっても火気厳禁で危険な雰囲気を読み取ったので、一通り車輌を確認してみるが特にバイクの下にシミらしきモノは見当たらないしどこかが濡れていると言う事もなかった。執拗に車体を確認したがガソリンの漏れを見付けられなかったのでお客さんに聞いてみると「今日はちょっと匂いが強いですがこんなもんですよ」との事。いくら探してもガソリンの漏れを見付けられない以上はそこに拘り過ぎるのも良くありません。依頼を遂行するべく使用状況をお聞きした。
お客さん曰く、数週間振りに乗ろうと思ったらエンジンがかからない。バッテリーは上がってなかったがセルを回し続けた為、完全に干上がってしまった。セルを回している時、一瞬かかったりしたのでブーストジャンプして貰えば問題ない、とのお客さん談。サイドカバーを外してバッテリー電圧を測ると11vまで電圧が低下していた。相当頑張ってかけようと試みたのが伺えます。
ジャンプ始動の準備を整えセルボタンを押してみる。するとキュルキュルと言う元気なセル音と共に、ガボガボと苦しそうな音がする。空気を上手く吸えないようなそんな感じの音。いったい何の音だろう…?と思っているとジャバジャバと水の流れる音がしてきて地面に流れ始めた。空冷のバイクから水が出てきて若干パニックです。冷静になりながら水の出所を探すと、それは左のサイドカバー。そしてジャバジャバと勢いよく出てきていたのは水ではなくガソリンだったのです。なんでガソリンがサイドカバーから大量に出てくるのか意味が分かりません。もしかしてガソリンタンクからダダ漏れなのか?と思ったけどフェーエルホースはタンクからキャブまで至ってドライで漏れている様子はなかった。
ありったけのウエスを準備してからガソリンの出所を探るべく、一番怪しいと思われる左サイドカバーを取り外す。現れたエアクリーナーボックスの蓋は下の方がガソリンで湿っていた。ここから漏れているので間違いないぞ!とプラスドライバーを取り出しエアクリボックスのネジを緩めていくと… 突然ドバババー!っと大量のガソリンが出てくるではないですか!その量、凡そ一リットル。もうなんだかサッパリ意味が分からず、ガソリンまみれのウエスを持ったまま立ち尽くしてしまったのでした。
結局、始動は諦めバイク屋さんへ入庫となったボルティ。最後にお客さんがボソっと言われたのは、坂の途中で登り方向を前にして停めていたら倒されていたらしいと言う事。傾斜のある所で暫くバイクを倒しておくと、エアクリーナーボックスに大量のガソリンが貯まったりするのだろうか? キャブレターの仕組みを考えると強ち間違いではないような気がしないでもありませんが真相は不明です。
