
「エンジンを止めて鍵を抜こうとしたら抜けないんですよ。あれ?変だな?と思ってエンジンかけてみたらこれがかかるんですわ。で、直ったかな?と思ってキーを回すとオフになった瞬間にスポっ!と抜けたんです。あっ!抜けた、でも随分変な抜け方したなぁと鍵を見てみるとー…先っぽが無くなってたんですよーw」そう教えてくれた内装業を営むお客さんのサンバーは、イグニッションで鍵が折れてしまっていた。「今同僚が予備鍵を持ってこちらへ向かっているので後はそれで何とかなると思うんですよ、折れたのが抜けさえすれば(ニヤリ)」とプレッシャーが重く圧し掛かってきます。
中でねじ切れてなければ良いなと思いながらイグニッションを覗いてみると、特にそう言う様子も見受けられずキレイな断面が見えた。これは意外と簡単に抜けるなと思ったのも束の間、イグニッションがLOCKとACCの中間で止まっていて動かないのです。もしかして鍵が折れた原因はこれかもしれません。本来の鍵が抜ける位置とは違うところで引っかかって止まった為抜けなくなった。で、鍵が抜けないし動かないしで思わぬ力がかかってしまい折れてしまった、と考えられなくもありません。取りあえずは中途半端な位置から正しい位置にしなければ抜けるモノも抜けません。と言う事でLOCKの位置にするべくあの手この手でシリンダーを回そうと試みるのですがガンとして動こうとしない。あまりの頑なさに少し弱気になりながらもコチョコチョと地道な努力を積み重ね、ナンとかカンとかLOCKの位置に戻す事が出来た。あとは中に残る折れ鍵を抜き取るだけですが、これがまた闇雲に引っ張って抜けるモノでもありません。仕組みを理解した上で必要な力を必要な方向から加えないといけません。ここをこうやってああする為には、一度ここをこうしておいてと手順を考えながら工具を使っていると、全く抜くつもりもない時に「スポっ!」と抜けてしまいました。さっきまで考えていた手順は何の為だったのだろう…でも抜けたから良しとします。
抜けた鍵先を手に取ってみてそのあまりの細さにビックリです。段差の組み合わせで起こり得るとは言えあまりにも細い。お客さんと二人「これ細くね?」とか話しながら折れたキーを観察していると、タイミング良く予備キーが到着です。その鍵も普通に使っていると言う事なので一応確認させて頂くと、今回折れた鍵と同じ辺りに亀裂が入り少し曲がっていた。残念ですが予備鍵も近い将来間違いなく折れてしまうでしょう。その後、予備鍵でエンジンをかけたお客さんは「このまま車屋に行って鍵を全部交換して貰いますわ。新しい鍵を作ってもこのままじゃまた折れそうだもんね、怖いわw」と車屋さんへ向かったのでした。
不都合がない限りあまり気にしない鍵ですが、一つの鍵を使い続けている場合は時々観察してみて下さい。もしかすると亀裂が入っているかもしれませんので。
