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「あら?お兄さん前も来てくれました人よね」 そう言われるのはハイエースのインロックでご依頼いただいた年配の女性。ハイエースは仕事の車らしく、車内には金属製のラックが組まれ段ボール箱や工具が満載されていた。「確か○●市にお住いですよね?以前一度お伺いした事を覚えてます」と僕が言うと「そうそう○●市。それにしても前来て貰った所まで良く覚えてるね」と少し嬉しそうに笑われた。

僕がその女性の事を覚えているのには少しばかり理由があります。

2年程前のそろそろ秋になろうかという季節の早朝、ハイエースの解錠依頼で○●市の現場へ到着すると、依頼車輌の横に警官と女性がいた。僕がバイクを降りて車へ近付くと、ほぼ同時に警官は依頼人と思しき女性を残し立ち去っていった。いったい何があったのだろう? そう思っていると「泥棒に一切合財盗まれたのよ…」と大きな溜息をつかれた。

リフォーム業を営むお客さんは、その日も現場へ向かう為、自宅前の駐車場へ止めた車へ行くと何故だかドアのロックが開いていた。嫌な予感を感じつつも荷室を覗いて見ると、本来ある筈の場所にある筈のモノが見当たらない。血の気が引くのを感じながらハッチバックを開けると、満載されていた道具が根こそぎ盗まれてしまっていた。

絶望の淵に立たされた思いで警察へ連絡。その後、車上荒らしの届を提出。そしていつの間にかロックがかかっていたハイエースを鍵で開けようと思ったら全ての鍵穴が壊されていて開けられない。仕方なしに解錠依頼をし僕が現場へ。高額な工具も多数あったらしく「全部揃え直したら50万以上かかる…」 そうお客さんが呟いたのを聞き、他人事ながら激しい憤りを感じたのを良く覚えています。

「あの日以来、面倒で大変だけど工具類は毎日倉庫に入れてるのよ。もう買い直しはコリゴリだからねぇ」あの日から2年。泥棒は盗みに成功した所へ戻ってくるらしいので、大変でしょうけど用心に越した事はありませんね。

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