
もう間もなく陽が昇ろうかと言う頃、イスズ・エルフの解錠依頼が入った。車輌は働く車だし時間も時間なので恐らく超お急ぎと思われます。うとうとしていた頭を叩き起こして現場へ向かった。
到着後、車輌を確認するとなんと清掃車で、「もう既に3時間程遅れてるんですよ…」とお客さん。僕に対しては普通に接してくれていますが、時間は相当ひっ迫しているご様子、これは急がねば。
速攻でドアを解錠するべく右ドア前へ行くと、「そっちの鍵はしっかり奥まで刺さりますが回らないんです。で、左のドアは半分くらいしか刺さらないんですよ」とお客さん。てっきりインロックだと思っていたら違うようで、鍵はあるけど開かない案件でした。「会社から予備キーを持ってきたけどダメでした」と2個の鍵を受け取り両方のドアを試したが、お客さんの言うとおり両方とも鍵が開かない。取りあえず右ドアの鍵穴を覗いてみると一見問題ないように見えた。だがピッキングしてみるとオカシナ事に気付き、それは左ドアも同じだった。
原因は瞬間接着剤のようなモノを詰められた為、キーシリンダーが固着して解錠が出来ないと思われます。その旨を伝えると「それって所謂嫌がらせですかね?」とお客さん。半日前まで問題のなかった鍵穴がこうなってしまっている以上、その可能性は捨てきれません、何かお心当たりでも?と聞いてみると「とっても心当たりがあるんですよ…」と腕を組んで考え込んでしまった。
根掘り葉掘り聞きませんが話しの端々から想像するに、どうやら最近会社を辞めた人間が怪しいとの事。随分と揉めに揉めた末の退社らしく、逆恨みをされる要素が相当あるらしい。それを聞いて何とも言えない沈んだ気分になった。
今年に入ってから依頼が多くなっている接着剤の案件。これはたまたま偶然で続いているのか、それとも世相か何かを反映して続いているモノなのか? どちらにしても嫌がらせを受けた現実に直面するのは、お客さんの事を思うととても気が重いのです。
