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とある葬祭場で鍵がイグニッションから抜けなくなったとの依頼。鍵が抜けない案件は物凄くあっさりの解決か物凄く難作業になるかのどちらか両極端な事が多い。今回はイグニッションだったので簡単に解決出来たらいいなぁと思いながら現場に向かった。

到着すると該当車輌のエンジンがかかっていた。鍵が抜けないと聞いたがもしかして鍵が回らなくなったのか!?と思ったけど、どうやらACCからオフに出来ないのでバッテリー上がり防止の為にエンジンをかけていたそうです。それを聞いてホっとしたのも束の間、イグニッションに刺さる鍵を見て、なぜ穴の開いたキーホルダーを貫通して刺さっているのかその状況を理解するのに暫しの時間が必要でした。

今朝お客さんは葬儀の為、慌ただしく車に乗り込んでエンジンをかけようとした。でもキーホルダーが邪魔してイグニッションが回せなかった。焦っていたのでよく見もせず無理やり力を入れて鍵を回したらエンジンがかかったのでそのまま葬祭場に向かう。そして到着後に鍵が抜けなくなっている事に気付いたとの事です。イグニッションはロック⇔ACC⇔オン⇔スタートの一般的なポジション。ACC⇔ロックを移動するには押し回しが必要。抜けない原因はキーホルダーが邪魔で押し回しが出来ないからです。って事はキーホルダーを貫通した状態でロックから押し回しでACCにした筈です。力任せに無理やり回したと言うよりは、ガチャガチャやっているうちに回ってしまったと考えるのが妥当かなと。

イグニッション回りの形状とキーホルダーの外形、そしてキーホルダーの四角い穴を踏まえると、鍵の持ち手をキーホルダー内径の対角にすることで押し込めるパターンがあるのではないかと推測。取りあえず穴が四角いので4パターンを試してみると、ななんと4回目にクルリとロックまで回ってしまいました。あまりにもあっさり回ったので焦ってACCの位置に戻してしまったくらいです。

鍵が抜けた事を喜ばれるお客さんでしたが「本当はキーホルダーを切らないで済んだ事が一番嬉しいんですよ。これ娘からのプレゼントなので…」と空を仰いだ目には、冬の陽が優しく光る涙が浮かんでいました。

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