
トラックの給油キャップの解錠依頼、お客さんは大工の親方さん。
日曜日の今日は休み予定だった親方さん。でも現在携わっている工事が遅れ気味なので自分だけ出動する事にしたそうです。作業車の鍵は常々使っている職人さんが自宅へ持って帰ってしまったらしく、取りあえず事務所保管の予備のキーを引っ張り出して現場へとやってきました。
午前中の作業を終え、昼食を食べに出たついでに給油しようかとガソリンスタンドへ行くと、給油口キャップを開ける専用の鍵が無い事に気付きます。ガソリンの残量を考えると今いる都心部から都下の会社まで走れるほどは残っていません。鍵を持って帰った職人さんに連絡はついたけど、どうやら遠くに遊びに行っているらしく鍵を夕方までに届けられそうもない。仕方がないのでロードサービスを依頼したとの事でした。
「こんな事で来て貰って申し訳ないですね。最近は事務仕事や営業で現場に出る機会がなかったのでやる気満々で来たんですがこの様です(笑)」と、働き者の証である厚みのある節くれ立った大きな手で角刈りの頭を掻く親方は、目尻に深い皺を寄せてクシャクシャな顔をして笑うのでした。
作業後、親方さんは「後で飲んでね」と僕にコンビニ袋を手渡します。中はスポーツドリンクと塩飴でした。「暑いけどお互い頑張りましょう」と僕の肩を叩く親方さんのその顔は、優しさの年輪が刻まれたとても素敵な笑顔だったのでした。
