
夜半に巨大団地から軽自動車の解錠依頼。まずは指定された建物の入り口付近でご依頼の年配女性と合流します。
「ここを道なりに行くと駐車場に突き当たります、一本道なので間違う事はないと思います。そこの入り口で主人が待ってる筈なので声かけて作業してください。私は歩いて行きますので」とお客さん。では旦那さんを見付けて作業終わらせときますと駐車場へ向かった。
巨大な団地を舐めるように奥へ奥へ進むと、船のような変わった形の駐車場に突き当たった。一本道なのでここに間違いありません。来た道とは別の出入り口へ旦那さんを探しに行くも、全く人影がありません。一旦バイクを停めて外の道まで出てみましたが、本当に人影がなくしーんと静まり返ってます。旦那さんがいない事には解錠もままならず、兎に角奥さんを待つ事に。
暫くして駐車場に来た奥さんに旦那さんがいない旨を伝えると「あのバカ旦那、コンビニにお酒買いに行ったかもしれません、ほんとスミマセンねぇ…」と申し訳なさそうです。そして二人で駐車場の外へ探しに行こうとした時、フェンス脇の生垣に中から「ぷす…ヴごーっ!」といびきの様な音が… それを聞いて「はっ!」とした奥さんはいきなり生垣に突入、「あんたー!なにやってんのよー!!」の声と同時に中から旦那さんを発掘したのでした。
半ば引きずられる様に車の前まできた旦那さんは、直立不動で天を仰ぎ猛烈な勢いで奥さんに怒られてます。そして「なんとか言いなさいよっ!」と言われ「申~し訳ごじゃましぇん!」と謝ったのがちょっとカワイかったりしたのですが、その一言が逆鱗に触れてしまいます。更にヒートアップする奥さんをなだめる術のない僕は作業も出来ず、旦那さんと同じように直立不動で天を仰ぎ、更け行く師走の夜空を見詰めているしかなかったのでした。
