
昨日の朝、お世話になっている駐車場管理会社様から複数台の解錠依頼を頂いておりました。
前日から降り出した雨は目覚めるとみぞれ混じりになっていた。今回も解錠する車輌が多く長時間作業になるので出来れば雨は避けたい。自然現象なので仕方がないのは分かってますが諦めきれない気持ちで空を見上げた。
現場は東京に程近いが畑の点在する長閑な一帯。雨は一向に止む気配は無く朝よりも気温は下降。風も強くみぞれの混じる量も多くなり、じっとしていても身体が震え、吐く息の白さは濃さを増していた。
一通りの事前確認を終え作業に入るが、むき出しの手にかかる雨と風、それがどんどん体温を奪い、三台目の解錠に取り掛かる頃には手のかじかみは酷く握力は無くなっていた。流石にこんな状態では開くモノも開けられない。苦肉の策でバイクのエンジンをかけグリップヒーターを最強にして暖を取った。暫く温かいグリップを握って幾ばくか回復したかと作業に戻るが、風に当たった瞬間元に戻ってしまった。これではいくら暖を取っても意味がない、温める事は諦めひたすら解錠に徹した。
半分ほど解錠を終えた頃、左手は完全に固まり全く力が入らなくなる。右手は幾分ましだったがこちらも酷い固まり様。いつもは苦労しない簡単な鍵すら必要以上に時間がかかり、それが更に手を冷やす悪循環にハマっていた。そんな状態なので外車の内溝ともなれば手応えを感じる事も出来ず開く気配すらない。5分、10分と同じ鍵を覗き続けると気持ちが弱り、動かない手に苛立つ事すら忘れ心は逃げの方へ向かった。
「ヘルプを頼もうかな…A隊員は出動中だからJ隊員なら来られるかな…」 そんな弱音が心を侵食し始めた時、ふと故郷の人々を思い出したのです。
氷点下の早朝でも牛の世話をし搾乳をする大切な人。商品の木を守る為、大雪の中、髭を凍らせ一日中奔走する庭園業のかけがえのない友。「みんなここより寒い北海道で頑張ってるんだ」 そう思うと不思議と萎えた気持ちが持ち直します。結局、手は動かないけど気持ちが前を向くと何とかなるモノですね。さっきまでは開く気配がなかった外車があっさり開けられました。
負の心は更なる負を呼びどつぼに嵌ります。辛い時ほど心の持ちようが大切だと感じた一日でした。
