
5日の夜遅く、新潟県某所よりメルセデス・Sクラスのトランクインロックのご依頼。距離が200km程あるので現着まで2時間半以上の余裕をお願いしたところ、翌朝5:00の予約になりました。
日中は20℃を越える日が続いており、夜でも10℃下回る事が少なくなった今日この頃。東京では薄手の助人ジャンバーの下は長袖Tシャツで充分だし、グローブも薄手の物を使っていた。当然、東京を出発する時はその装備で問題なかったのですが、深夜という事もあり埼玉の寄居付近で身体の冷えが辛くなってきます。先に進むにつれ気温は下がり続けるだろう事は容易に想像がつきます。群馬に入る手前の給油タイミングで荷箱から冬装備一式を取り出していそいそと着込みました。
もうこれで大丈夫だと思ったのも束の間、赤城山を過ぎ、沼田を越えると途端に冷え込みが厳しくなります。地形図を見ると良く分かりますが、沼田を越えると山の中に入って行くんですね。そりゃ冬装備でも辛い訳です。この時になってはじめて冬装備じゃなく”真”冬装備を用意しておけば良かったと後悔、でも時既に遅しです。
充分に冷え切った身体でなんとか最寄インターを降りると、路肩に雪が残っているのを目の当たりにします。「もう五月だと言うのに…」と独り言が出ますがそこは山の中。お客さんがスキーをしに来てインロックしてしまった事を考えれば雪があっても当たり前ですよね。
現場のホテル近くに着いた時点で4:30。時間に余裕があったので暖を取る為コンビニに入りドリップコーヒーを購入。もうもうと上がる湯気越しにコーヒーをすすると救われた気持ちになります。胃の中が温かくなるのを感じながら白んできた空を見上げると明るい月が出ていた。未だ雪に覆われた山の上にぽつねんと浮かぶ月。その風景に見惚れ暫し望郷の念に駆られます。
気が付くとそろそろ行かなくてはならない時間。冷え切ったコーヒーを飲み干し、疲れた目を擦りながらもう一度空を見上げると、そこには重なり二つになった月、でも瞬きをするといつもの月に戻ってしまった。柔らかな思いを胸に遠くの空を眺めたが、予約時間は近付いている。おもむろに目薬を取り出しショボつく目にジャブジャブとさす。そして気合を入れ直しSクラスの待つホテルへと向かったのでした。
