
某ドイツ車の解錠依頼。
現着後、合流したお客さんはとても言葉数が少なかった。必要な確認の問いかけにも「あ うん そう」と言う感じ。何となく機嫌が悪いのだろうかとも思った。
状況から推測するに、仕事で依頼主のところへ来てからのインロックっぽい。そのせいで仕事が遅れて困っているのかもしれません。だとすると早く解錠せねばと急いで準備に取り掛かった。
そそくさとドアの前に行くとドアノブの塗装が一部剥がれている事に気付く。顔を近付けると真新しい擦り傷も。もっとよく見るとドアノブ毎少しドアが凹んでいる。擦り傷の感じからすると昨日今日に出来たと思われます。もしかしてこれが元気のない原因かなぁ? 等と考えながら作業に取り掛かった。
程なく解錠を終えシリンダーを回すと、電気的にドアロックが解除される音がした。「開いたな」と思いながらドアノブを引くとスコっと軽い手応えだけでドアが開かない。…もしかして壊れてる…?と思いながらも後部座席のドアノブを引いてみると何事もなく普通に開いた。これ幸いと車内に入り運転席のドアノブを引くと問題なく開きました。
あ~開いて良かったと胸を撫で下ろしながらお客さんを見ると「ガハハハハっ」と突然の大笑い。その意図する事が分からずポカンとしていると、「いや~開かないでしょ?そのドア。実はね、壊れてるんですよ」と更に大きな声で笑ったのでした。
お客さん曰く、数日前に自宅ガレージ内で車体を壁に接触させてしまいドアノブ破損。車外から引いても開かないのは知っていた。で、今回解錠依頼でドアを開けて貰わなければならないが、その壊れている事実を知られたくなかった。何故ならば自損が恥ずかしいから。と言う訳で、機嫌が悪いのではと感じたのは、特に怒っている訳でも落ち込んでいる訳でもなく、自損したドアが恥ずかしかったからのようでした。そう言うことだったのかと一人で納得するも、最初に言ってくれたら焦らずにすんだのにとも思う。でも恥ずかしくて知られてくなかったのだから仕方がありません。
