
少し前、お祭りで交通規制をされているまっただ中からレクサスの解錠依頼。変な所に停めて歩いて行く訳にもいかないのでバイクを押して現場へ向かっている時、軒並み並ぶ出店を見て子供の時を思い出しました。
小学低学年の頃、母と兄と三人で昼の祭りに行きました。その時、母は用事があったらしく、「二人で遊んでいいから、時間になったら待ち合わせ場所に来るように」と兄に言い、その場所を知らない僕には「もし兄とはぐれたら鳥のマークのスーパーに来なさい」と言った。
母と別れた後、早速兄と出店で遊ぶ。ハッキリ覚えているのは型抜きで、かなりハマってやってました。そんな僕とは対照的に兄はさっさと飽きてしまい「あっち行ってる」と言い残し何処かへ走って行った。割らないようにと集中していた僕は兄と別れた事を深く考えず、せっせと型抜きに精を出します。でもこれが後に悲劇を生みます。
暫く型抜きをしていたけど全く成功しない事で飽きた頃、急に一人でいる事に不安を感じます。そして兄を探しに行きますが、時間が経ち過ぎていた為か全く見付かりません。随分長い事あちらこちらをうろうろ探しましたが結局兄を見付ける事が出来ませんでした。
不安の絶頂に達した僕は母に言われた「鳥のマークのスーパー」向かう事に。きっと二人が待っている筈と急いだ。ところが、鳥のマークのスーパーに母も兄もいません。でもここで待っていろ言われたので何れ二人が来る筈とキョロキョロしながら待ち続けました。
何時間が過ぎたのでしょう、ひたすら待ち続けた僕は疲れ切ってウトウトし始める。そして眠気と不安で「もう誰も迎えに来てくれないのでは?」と泣きそうになった時、「あんたここにいたのかい?」と聞き覚えのある声、その時の母の姿は後光が射してとても神々しいように見えました。
結論を言うとですね、僕が待っていた鳥のマークのスーパーは「長崎屋」さんで、母が言っていたのは「イトーヨーカドー」さんだったのです。この件に関して「両方鳥のマークだな。それはお前が悪い」と母は父に怒られたと聞きました。
そんな事を思い出したらセンチメンタルにならざるを得ません。楽しそうな喧噪とは裏腹に一人でしゅんとした夏祭りの夜でした。
