
レクサスのインロックで向かったのは、とある会社。
作業前、解錠すると警報が発報する旨をお客さんに伝えると「それは困るわ、ここお客さんの所なの、だから警報を鳴らさないで出来ないかしら?」と言われた。セキュリティーを外部から制御するのは不可能なので、発報した際は速やかに止めるしかありません、そうお伝えすると「じゃぁ一応社長に伝えてくるわ、作業を始めていて下さい」とお客さんは建物の中へ。
レクサスの場合、ドアを開けなくても鍵穴を回しただけで発報します。なのでその後の準備の為にも解錠後いきなり回してはいけません。これがとても繊細、ほんの少しでも回すと鳴っちゃいます、ミリ単位でヤバいのです。
作業を始めて数分、解錠が完了します。「よし、後はこの状態を保つぞ」とスコープから顔を離してホっと一息、そして早くお客さん戻ってこないかなーとか考えていると「ぷ~ん」と蚊の音が耳元をかすめるではありませんか。全身に緊張が走ります。何故かと申しますと、僕は蚊のアレルギーがあるらしく刺されると酷く腫れるのです。「やばい、このままでは喰われてしまう」 寒気がする程の掻痒感を思い出し、本能と理性が二択を迫ってきます。
【解錠を諦め戦う】【座して刺されるを待つ】
どちらも嫌です。でも強いて言えば蚊と戦いたい。そうだ、蚊を仕留めてからもう一度解錠をしよう、そんなに時間かからないし、と思ったところでコツコツとパンプスの音。おお!お客さんが戻ってきて下さった、これで再解錠する事無く蚊にも喰われない、そう喜んだところで鍵穴を保持する左手に蚊が止まる。こうなると僕の身体は意志とは無関係に反応してしまいます。変な奇声(心の中で)を上げ右手でパチっ!っと蚊を叩く。するとその瞬間にレクサスは怒涛の大激怒です。鳴り響くクラクションを全身に受け呆然と立ち尽くす。絶望的な気持ちで振り返るとそこにはなんとお客さん!もっと遠くにいるかと思っていただけにビックリです。その後、お客さんはしなやかで流れるような身の熟しで車内に滑り込み、バッグからリモコンを取り出しピピッと解除。激怒のクラクションが5~6発で済んだのはお客さんのおかげでした。
自分の不甲斐なさを感じつつ、ふと以前もレクサスで同じような事があったなぁと思い出し、申し訳ない気持ちでしゅんとしてしました。
