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考えること

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ストレイト・ストーリーと言う映画があります。とても好きなロードムービーなので、DVDを買って何度も観ています。

監督は巨匠デヴィッド・リンチ。

この名前を聞くと、イレイザー・ヘッドやブルー・ベルベット等の、独特の世界観が脳裏に浮かぶのは僕だけではない筈。ところがこの作品、いつのもリンチ調とは一線を画し、とても牧歌的でのんびりとした雰囲気なんですね。物語の主軸は、泥臭い後悔や葛藤、そして、それらからの脱却を描くモノですが、ぶっちゃけ迷惑な頑固爺の話しとも言えなくもないです。

同じ映画を二回以上観ると、初見とは違う意味や印象に捉えられる部分があったしませんか?これは作り手が敢えてそうしていると思うのですが、この物語にもそんなところがいくつかありました。

その中の一つ、物語の中盤で、若者から「年を取って良かったことは?」と質問された主人公の爺ちゃんは、「実と殻の区別がついてきて、細かい事を気にせんようになる」と答えます。また「年を取って最悪なことは?」の質問には、「若い頃を覚えていることだ」と言うのです。

この「若い頃を覚えていること」の部分、最初は自分が年老いてしまった事を嘆いていると思いましたが、二回目に観た時、過去の悲惨な体験を忘れる事が出来ないのだと気付きます。これは、この後の展開を一度観て知ったからなんですね。

友達や他の人に言われたこと、時に不条理だと思ったこと、またはその真意を測り知れなかったことを、時間が経つにつれ、突然理解してハっとすることが時にあります。それは人とのかかわりであったり、過去に描いた将来のことだったり、または苦しんで解錠した車だったりと様々。過去を思い返して気付くことは、映画を観返したり、本を読み返して気付くのと同じようなプロセスだと思うのです。

しっかりと自分の中で反芻し、考え抜かなければ消化出来ないことがあり、それを栄養に出来るかどうかは当人次第。そんな事を考え、口数が少なかった亡き父に言われたことを思い出し、後悔や反省の念に駆られるのがこの映画です。

とても良い作品です、お勧めします。

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