
隣の芝が青く見えるのは、心の焦点が外にあるからだ。人の成功や優遇を見た瞬間、私たちはつい自分と比べてしまう。けれど、その人の芝が青く見えるのは、光が当たる場所だけを見ているからではないだろうか。
根の深さも、土の重さも、日陰で積み重ねた努力も、外からは見えていない。誰かが自分より良い立場にいるように見えても、その裏には積み上げた信頼や、地道な修正、人に見せない気配りがある。
もしあなたがその人の役を一日だけ引き受けたなら、その重さに驚くだろう。だから「自分のほうができる」と思う前に、その人の見えない時間を想像してみたらどうだろうか。そして、あなたにも光っていないだけの価値がある。
効率よく回す仕組みを作る力、トラブルを防ぐ慎重さ、周囲を安心させる安心感など人それぞれだが、それらは数字には表れにくくても、確実に組織を動かしている。表に立つ人と支える人、どちらが欠けても全体は止まってしまうのだから。
嫉妬は悪ではない。ただ、それを燃料に変えなければ意味がない。比べるのをやめ、観察して学び、自分のペースで磨いていく。誰かの芝を眺めて落ち込み羨むくらいなら、自分の庭を耕すべきだ。
芝は、手をかけた場所からしか青くならない。
