
P隊員がバイクを選ぶ基準の一つに、「雑に乗れるバイク」というものがあります。
どんなに良いバイクでも、いや、良いバイクだからこそ、乗るのが億劫になることがあります。
例えば押しも押されぬホンダの生ける伝説『ゴールドウィング』は、乗り出し価格で400万円ほどかかります。バイク界でも一目置かれる車格と性能を持つ超高級フラッグシップ車ですが、まさかこのゴールドウィングで近所のコンビニに行く人はいないでしょう。大事にしすぎて、結局一年で数回しか走れないかもしれません。
実際、ロードサービスの現場では高級車ゆえに普段乗りが憚られ、むしろ車の調子を悪くしてしまうお客様などたくさんいらっしゃるわけです。
そう考えると、ある意味『テキトーに乗れる』というのも、乗り物の大事な性能のひとつだと思います。そういう意味でバーグマン400は、まさに『テキトーに乗れるバイク』の最高峰。スズキが誇る、国内で唯一生き残った400ccスクーターです。
先日レンタルして乗ってみましたが、実際の乗り心地はまるで空飛ぶ絨毯、もとい、走るソファと言ったところでしょうか。
まず、やはりスクーターというところが大きい。ギアの上げ下げもクラッチの操作も当然要りません。右手を回すだけで走ります。重心が極端に低いので停車時や取り回しで踏ん張る必要もないですし、パワーもあるので峠や高速道路で困ることもありません。
最も驚異的なのはその足つきで、ただでさえ車高が低いのにわざわざステップをえぐり取り、さらに足を下ろしやすいように設計されています。「手が届く」ならぬ「足が届くバイク」とはよく言ったものです。
そのラクさは、レンタル中に軽く首都高だけ走るつもりがあまりの乗りやすさに感動し、思わず実家の福島県まで勢いで往復してしまったほど。
ただし、余分な機能を削ってコストを下げ、リーズナブルな車両価格を提供するのがスズキのバイクの魅力の一つですが、バーグマン400の場合は機能だけ削って車両価格を下げ忘れているのが玉に瑕です。
どこか他のメーカーが400ccスクーターを出してくれれば、慌てて正しい車両価格を思い出すでしょう。
